カテゴリー: 仕事術・評価

  • 工場で仕事を覚えられない人へ|現役課長が教える、現場で成長するための考え方

    工場で仕事を覚えられない人へ|現役課長が教える、現場で成長するための考え方


    「何度教えてもらっても、なかなか仕事を覚えられない」

    「周りは普通にできているのに、自分だけ遅い気がする」

    工場で働いていると、こんな悩みを抱えることがあると思います。

    仕事を教えてもらっているときは分かったつもりでも、いざ自分でやろうとすると手が止まる。前にも教えてもらったことを、もう一度聞かなければならない。

    そんなことが続くと、「自分はこの仕事に向いていないのかな」と考えてしまうかもしれません。

    私は製造業で課長をしており、部下に仕事を教えたり、仕事を任せられるように育てたりする立場にいます。

    その中で感じるのは、仕事を覚えるのが早い人が、必ずしも最初から仕事ができる人とは限らないということです。

    反対に、最初は時間がかかっていても、経験を積むうちに安心して仕事を任せられるようになる人もいます。

    この記事では、現場で部下を育ててきた経験から、工場の仕事を覚えられないときに考えたいことと、成長するために意識したいことを紹介します。

    工場で仕事を覚えられないのは、自分の能力だけが原因ではない

    工場の仕事は、見ているだけなら簡単そうに見えることがあります。

    しかし、実際にやってみると、作業の順番や工具の使い方、機械の操作、安全確認など、覚えることは少なくありません。

    しかも、作業によっては、決められた手順を守りながら、品質や納期も意識する必要があります。

    最初からすべてを完璧にこなすのは簡単ではありません。

    仕事を覚えられないと感じたとき、まず考えてほしいのは、何につまずいているのかということです。

    • 作業手順そのものが分からない
    • 教えてもらったことを忘れてしまう
    • 自分で判断していい範囲が分からない
    • 周りが忙しく、質問しにくい
    • 早く仕事をしようとして確認が抜ける

    同じ「仕事を覚えられない」という悩みでも、原因が違えば対策も変わります。

    何となく自分を責めるのではなく、まずは苦手な部分を一つ見つけることから始めてみてください。

    仕事を教える側になって感じたこと

    私自身、課長になってから、部下に仕事を教える機会が増えました。

    その中で感じるのは、仕事を一度説明しただけで、誰でもすぐにできるようになるわけではないということです。

    説明を聞いて理解することと、実際の現場で自分一人でできることは違います。

    頭では分かっていても、実際に作業すると迷うことがあります。

    だからこそ、教える側も、説明して終わりにするのではなく、本人がどこまで理解できているのかを確認する必要があります。

    もちろん、本人が覚える努力をすることも大切です。

    ただ、仕事を覚えられない原因を、すべて本人の能力ややる気の問題にしてしまうのは違うと思っています。

    教え方や仕事の任せ方によって、成長の仕方は変わるからです。

    工場の仕事を覚えるために意識したい5つのこと

    1. 最初からスピードを求めすぎない

    仕事に慣れていないうちは、周りの人と同じスピードで作業できなくても不思議ではありません。

    周りが早く仕事をしていると、自分も急がなければいけないと焦ることがあると思います。

    しかし、焦って確認を省いたり、手順を飛ばしたりすれば、ミスにつながります。

    まずは正しい手順を身につけること。

    そのうえで、慣れてきたら少しずつスピードを上げていけばいいのです。

    製造現場では、早く終わらせることだけが仕事ではありません。安全に、決められた品質で作業できることも重要です。

    2. 教えてもらったことをメモに残す

    何度も同じことを聞くのが申し訳なくて、質問をためらう人もいると思います。

    そんなときは、教えてもらった内容を自分が分かる形でメモに残しておくと役立ちます。

    ただ説明を書き写すのではなく、次のような点を整理してみてください。

    • 作業を進める順番
    • 間違えやすいポイント
    • 作業後に確認すること
    • 判断に迷ったときの確認先

    メモを取っただけで、すべて覚えられるわけではありません。

    実際に作業するときに見返し、正しくできているか確認することが大切です。

    なお、安全や品質に関わる作業は、メモだけで自己判断せず、会社の手順書や担当者の指示を優先しましょう。

    3. 分からないことを、そのままにしない

    仕事を覚えるうえで、質問することは悪いことではありません。

    特に、間違えると製品の品質や安全に影響する作業では、分からないまま進めるほうが問題です。

    ただし、何でもすぐに聞けばいいというわけでもありません。

    まずは手順書やメモを確認し、自分がどこまで理解できているのかを整理する。

    そのうえで、分からない部分を具体的に質問すると、教える側も答えやすくなります。

    例えば、「この作業が分かりません」と聞くよりも、「ここまでは分かるのですが、最後の確認方法が分かりません」と伝えるほうが、疑問点が明確になります。

    自分で考えることと、分からないことを確認すること。

    この両方が必要です。

    4. 同じミスをしたら、原因を振り返る

    ミスをしたとき、「次は気をつけよう」と思うだけでは、また同じことを繰り返してしまう場合があります。

    大切なのは、なぜ間違えたのかを考えることです。

    例えば、手順を理解していなかったのか、確認する場所を間違えたのか、それとも急いでいて確認を忘れたのか。

    原因によって、改善する方法は変わります。

    手順が分からなければ、もう一度教えてもらう。

    確認を忘れたのであれば、作業の途中で確認する習慣をつける。

    同じミスでも、原因を考えれば対策が見えてきます。

    ただし、製造現場のミスは本人の注意不足だけで起きるとは限りません。作業手順が分かりにくい、教育が不十分といった問題がないかも確認する必要があります。

    5. 周りと比較するより、できるようになったことを見る

    同じ時期に入社した人が、自分より早く仕事を覚えている。

    そんな姿を見ると、焦ることもあると思います。

    しかし、覚える速さは人によって違います。

    大切なのは、周りと比べて自分が遅いかどうかだけではなく、以前よりできることが増えているかどうかです。

    前は毎回確認していた作業を、自分でできるようになった。

    以前は分からなかったことを、理由まで理解できるようになった。

    こうした変化も成長です。

    すぐに一人前になれなくても、少しずつできることが増えているなら、その積み重ねを大切にしてください。

    仕事を覚えられない人を、教える側はどう見ているのか

    ここからは、課長として部下を育てる立場から考えてみます。

    仕事を教えていると、最初から覚えが早い人もいれば、何度か経験してからできるようになる人もいます。

    私が部下を育てる中で意識しているのは、今できることだけで、その人の成長を決めつけないことです。

    もちろん、仕事を覚えるために本人が努力することは必要です。

    教えてもらったことを振り返らない、分からないまま放置する、同じ失敗をしても原因を考えない。

    こうした状態では、なかなか成長につながりません。

    一方で、最初は時間がかかっていても、教わったことを理解し、次に生かそうとする人は、少しずつ任せられる仕事が増えていきます。

    実際、私自身も課長になったばかりの頃は、自分でやったほうが早いと感じる仕事がたくさんありました。

    しかし、自分しかできない状態のままでは、いつまでも仕事を抱え込むことになります。

    そこで、信頼できる部下に少しずつ仕事を任せていくようになりました。

    最初からすべてを任せられるわけではありません。仕事を教え、できる範囲を広げ、必要なところを確認しながら、任せられる仕事を増やしていくのです。

    今では、以前は自分しかできなかった仕事も、部下に任せられるようになっています。

    この経験から、私は、今の仕事の速さだけでなく、経験を積んで成長できているかを見ることも大切だと感じています。

    部下の育成については、質問できる部下は成長する?|課長になって分かった「伸びる部下」の特徴も参考にしてください。

    仕事を覚えられない原因が、職場にある場合もある

    ここまで、自分でできる工夫を紹介してきました。

    ただし、仕事を覚えられない原因が、本人だけにあるとは限りません。

    例えば、次のような職場です。

    • 教える人によって作業手順が違う
    • 十分に教えてもらえないまま仕事を任される
    • 質問すると怒られる
    • 忙しすぎて、教育する時間が取れない
    • ミスをしても原因を振り返る機会がない

    こうした環境では、本人が努力していても仕事を覚えるのが難しくなります。

    まずは上司や教育担当者に相談し、手順の確認や教えてもらう時間を確保できないか考えてみましょう。

    それでも改善されない場合は、今の職場で働き続けることが自分に合っているのか、考える必要があるかもしれません。

    工場の仕事そのものが合わないのか、それとも今の職場の教育体制や仕事内容が合わないのか。

    この二つは分けて考えることが大切です。

    製造業で転職先を選ぶときに確認したい職場環境のポイントも、今後を考える際の参考にしてください。

    まとめ|仕事を覚えられないからといって、自分を決めつけない

    工場で仕事を覚えられないと、「自分は仕事ができない」「この仕事に向いていない」と考えてしまうことがあると思います。

    しかし、仕事を覚えるまでの時間は人によって違います。

    まずは、何につまずいているのかを整理してみてください。

    メモを取る、分からないことを具体的に質問する、ミスの原因を振り返る。

    できることから一つずつ取り組めばいいのです。

    そして、教える側にも、仕事を覚えやすい環境を整える役割があります。

    私自身、課長として部下を育てる中で、最初から何でもできる人ばかりではないと感じてきました。

    大切なのは、今できないことだけで判断せず、少しずつ成長できているかを見ることです。

    もし努力しても仕事を覚えられず、職場の教育体制にも問題があるなら、自分だけを責める必要はありません。

    仕事を覚えられない今の状態だけで、自分の可能性を決めつけないでほしい。

    まずは一つ、できることを増やすところから始めてみてください。

  • 仕事が遅い人=仕事ができない人、ではない。課長になって気づいたこと

    仕事が遅い人=仕事ができない人、ではない。課長になって気づいたこと

    「仕事が遅い人は、仕事ができない」

    以前の私は、どこかでそんなふうに考えていたと思います。

    仕事には納期があります。自分の仕事が遅れれば、次の工程や周りの人にも影響が出ます。だから、仕事が早い人が頼りになるのは間違いありません。

    でも、課長として部下を育てる立場になってから、考え方が変わりました。

    仕事が遅いからといって、仕事ができないとは限らない。

    実際に、最初は仕事に時間がかかっていた部下が、今ではほとんどの仕事を任せられるまでに成長しました。

    今回は、現役課長として部下を見てきた経験から、仕事の速さだけでは分からないことについてお話しします。

    仕事が遅い人には、それぞれ理由がある

    「仕事が遅い」といっても、理由は人によって違います。

    例えば、こんなケースがあります。

    • 経験が少なく、仕事の進め方がまだ身についていない
    • 間違いがないか、一つひとつ確認しながら進めている
    • 分からないことを自分で考えたり、質問したりしている
    • 仕事の優先順位や段取りがうまく整理できていない

    これらをすべて同じ「仕事が遅い」という言葉で片づけるのは、少し違うと思います。

    経験が浅い人なら、最初からベテランと同じスピードで仕事ができるわけではありません。

    もちろん、時間がかかる原因をそのままにしていいわけではありません。

    ただ、まずはなぜ時間がかかっているのかを見極めることが大切です。

    原因が分からなければ、適切な教え方もできないからです。

    最初は仕事が遅かった部下が、今ではほとんどの仕事を任せられる

    実際に、私の部下にも仕事を慎重に進めるタイプの人がいます。

    最初から仕事が早かったわけではありません。

    分からないことがあれば質問してきますし、自分で考えてから進めようとするので、一つひとつの作業に時間がかかることもありました。

    でも、私はそれを悪いことだとは思いませんでした。

    何も考えずに遅いわけではなかったからです。

    自分で考える。分からなければ質問する。教えてもらったことを覚え、次は自分でできるようにする。

    そうやって少しずつ仕事を身につけていきました。

    その結果、今ではその部下にほとんどの仕事を任せています。

    最初は時間がかかっていた仕事でも、経験を積めばできるようになる。

    その姿を実際に見てきたからこそ、私は「仕事が遅い」という理由だけで、その人の能力を判断しないようになりました。

    部下を育てるうえでは、仕事のやり方を教えるだけでなく、自分で考えて動けるようにすることも大切です。詳しくは、「部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと」でも紹介しています。

    「遅い」と「慎重」は同じではない

    仕事に時間がかかっていても、その中身を見る必要があります。

    例えば、間違いがないか確認している人と、何をすればいいか分からず手が止まっている人では、必要な対応が違います。

    前者なら、確認の精度を保ちながら効率を上げる方法を考えればいいかもしれません。

    後者なら、仕事の手順や判断基準を教える必要があるかもしれません。

    また、分からないことを質問している人に対して、ただ「もっと早くやって」と言っても、根本的な解決にはなりません。

    むしろ、質問することをためらい、分からないまま仕事を進めてしまう可能性もあります。

    大切なのは、仕事の遅さだけを見るのではなく、どこで時間がかかっているのかを確認することだと思います。

    もちろん、慎重であれば何でもいいわけではありません。必要以上に確認を繰り返しているなら、どこまで確認すれば十分なのかを教える必要があります。

    慎重さを活かしながら、少しずつ効率も上げていく。それが、上司に求められる関わり方ではないでしょうか。

    仕事が早い人でも、必ずしも効率がいいとは限らない

    逆に、仕事がものすごく早い人が、必ずしも優秀とは限りません。

    これは自分の部署ではなく、他部署で実際に見かけたケースです。

    その人は仕事を進めるスピードがとても速く、一見すると「仕事ができる人だな」と感じました。

    ところが、勢いよく仕事を進めたあとに大きなミスが見つかり、かなりの部分をやり直している場面を何度か見かけました。

    最初の作業が早くても、その後に大幅な手直しが必要になれば、結果的には時間がかかります。

    最初に少し時間をかけて確認していれば、防げたミスもあったかもしれません。

    もちろん、仕事が早いこと自体は大きな強みです。

    ただ、作業の速さだけを見て評価するのは危険だと感じました。

    「早く終わらせる」と「効率がいい」は違う

    仕事の効率を考えるとき、単純な作業時間だけでは判断できません。

    例えば、次のような点も大切です。

    • ミスや手直しを減らせているか
    • 次の工程に影響を出していないか
    • 必要な報告や相談ができているか
    • 同じ失敗を繰り返さず、次に活かせているか

    10分で終わった仕事でも、その後に1時間のやり直しが発生したら、本当に効率がいいとは言い切れません。

    反対に、最初に少し時間をかけて確認し、一度で正確に終わらせたほうが、結果的に効率がいいこともあります。

    製造現場では、自分の作業だけでなく、次の工程や周りの人への影響も考える必要があります。

    だから私は、仕事の速さだけでなく、どんな結果につながっているかまで見ることが大切だと思っています。

    実は私自身も、どちらかというと仕事が遅いタイプだった

    そう考えるようになった理由の一つには、自分自身の経験もあります。

    私も、どちらかというと仕事が早いタイプではなかったと思います。

    分からないまま勢いで進めたり、何も考えずに突っ走ったりすることはありませんでした。

    その分、仕事を覚えるのにも時間がかかったと思います。

    それでも、一つずつ覚え、分からないことを確認し、経験を積んできました。

    今、自分が課長になって部下を育てる立場になったからこそ、当時の自分のことも含めて、仕事の速さだけでは分からない部分があると感じています。

    最初から何でもできる人ばかりではありません。

    経験を積んで、少しずつできることを増やしていく人もいます。

    だからこそ、今できていることだけでなく、これから成長できるかどうかも見ていきたいと思っています。

    課長になってからは「前より成長しているか」を見るようになった

    部下を見るとき、今の私は「今どれくらい早く仕事ができるか」だけではなく、以前と比べて成長しているかも見るようになりました。

    例えば、

    • 前は何度も質問していた仕事を、自分で判断できるようになった
    • 時間がかかっていた作業を、以前よりスムーズに進められるようになった
    • 教えてもらったことを覚え、同じような問題に対応できるようになった
    • 以前は任せられなかった仕事を、一人で進められるようになった

    こうした変化があるなら、私は評価したいと思います。

    もちろん、成長していれば納期を守れなくてもいい、という話ではありません。

    求められる期限や品質を意識しながら、できることを増やしていく必要はあります。

    ただ、今はまだ仕事が遅くても、確実に成長している人なら、これからもっと頼れる存在になる可能性があります。

    実際に私の部下も、そうやって成長してきました。

    部下の仕事が遅いとき、上司は何をすればいいのか

    部下の仕事が遅いと、上司としてはつい「もっと早くやって」と言いたくなることがあります。

    納期がある以上、スピードを求めること自体は悪いことではありません。

    ただ、それだけでは解決しない場合もあります。

    私なら、まず次の点を確認します。

    1. どこで時間がかかっているのかを確認する

    仕事の手順が分からないのか、判断に迷っているのか、確認に時間をかけすぎているのか。

    原因によって、必要な指導は変わります。

    2. 仕事の進め方や優先順位を教える

    経験が少ない人は、どこから手をつければいいのか分からないことがあります。

    仕事の順番や、先に確認しておくべきことを伝えるだけでも、進めやすくなる場合があります。

    3. 少しずつ任せる範囲を広げる

    最初から完璧を求めるのではなく、できるようになった仕事から任せていく。

    そして、必要なところを確認しながら、少しずつ一人でできる範囲を広げていく。

    私自身、部下を育てる中で、この積み重ねが大切だと感じてきました。

    部下への任せ方については、「仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由」でも詳しく書いています。

    4. 前よりできるようになったことを伝える

    仕事が遅い人は、自分の成長に気づいていないこともあります。

    以前より早くできるようになったことや、一人で判断できるようになったことを具体的に伝える。

    そうすれば、本人も何が身についたのかを理解しやすくなります。

    ただし、改善が必要な点があるなら、それも具体的に伝える必要があります。

    成長を認めることと、課題を指摘することは両立できます。

    「今は遅いだけ」なのか、「改善が必要な状態」なのか

    同じ仕事の遅さでも、背景は違います。

    経験を積むにつれて少しずつできるようになっている人なら、必要な指導をしながら成長を支えることが大切です。

    一方で、何度教えても同じところでつまずく、優先順位を考えずに仕事を進めてしまう、納期への意識が薄いといった場合は、具体的な改善が必要です。

    「仕事が遅いからダメ」と決めつけるのでもなく、「慎重だから仕方ない」と何も改善しないのでもありません。

    原因を確認し、本人に必要なことを伝え、変化を見ていく。

    それが、部下を育てる立場として大切なことだと思います。

    本当に仕事ができる人とは

    課長として部下を見てきて、私が思う「本当に仕事ができる人」は、単純に作業が早い人ではありません。

    仕事を覚え、分からないことを確認し、教えてもらったことを次に活かす。

    自分で考えて行動し、必要なときには周りと協力する。

    そして、経験を積むにつれて仕事の精度やスピードも上がっていく。

    そういう人は、最初は目立たなくても、時間が経つほど頼れる存在になっていきます。

    私自身も、どちらかというと仕事が遅かった側でした。

    そして今、課長として部下を育てる立場になりました。

    だからこそ思います。

    仕事が遅い人=仕事ができない人、ではありません。

    見るべきなのは、なぜ時間がかかっているのか。そして、経験を積む中で成長しているのか。

    仕事の速さだけで人を判断するのではなく、その人の仕事の中身や成長まで見ること。

    それも、部下を育てる上司の大切な仕事なのだと思います。

  • 課長が休んでも現場が回る職場を作る|自分がいなくても仕事が進むようになるまで

    課長が休んでも現場が回る職場を作る|自分がいなくても仕事が進むようになるまで

    執筆者:

    若手課長ログ

    カテゴリ:

    仕事術・評価

    課長になったばかりの頃は、自分が現場を離れると仕事が止まることがよくありました。

    出張に行ったり、休みを取ったりすると、

    「ちゃんと進んでいるかな」

    と気になっていました。

    実際、出張から戻ってみると、

    「行く前とほとんど変わっていない」

    ということもありました。

    当時は、自分しかやったことがない仕事もかなりありました。

    部下もまだ今ほど仕事を任せられる状態ではありませんでした。

    だから、自分がいないと判断できない仕事が多かったんです。

    でも、今はかなり変わりました。

    最近は休みを取ることもありますし、出張などで現場を離れることもあります。

    それでも、昔ほど心配することはなくなりました。

    なぜなら、

    自分がやっていた仕事の多くを、信頼できる部下に任せられるようになったからです。

    この記事では、課長になったばかりの頃の失敗や、そこからどうやって「自分がいなくても回る職場」に変えていったのかを書きたいと思います。


    課長になったばかりの頃は、自分がいないと仕事が進まなかった

    課長になったばかりの頃は、自分しかやったことがない仕事がかなりありました。

    特に現場の仕事は、図面や手順書だけでは分からない細かい部分があります。

    例えば、

    「ここはこうした方がいい」

    「この場合はこう判断する」

    「図面には書いていないけど、ここは確認しておかないと後で困る」

    といったことです。

    こういうものは、実際に経験しないとなかなか分かりません。

    そのため、部下からすると、

    「課長に聞かないと分からない」

    という状態だったと思います。

    当然、自分が出張に行けば、その間に仕事が止まることもありました。

    出張から帰ってきて、

    「どうなった?」

    と聞くと、

    「そこからあまり進んでません」

    ということもありました。

    当時は、

    「なんで進んでないんだ」

    と思ったこともあります。

    でも今振り返ると、部下だけの問題ではなかったと思います。

    自分が仕事を任せられる状態を作れていなかった。

    これが大きかったんだと思います。


    「自分がやった方が早い」は、課長になると危険だった

    課長になったばかりの頃は、

    「自分がやった方が早い」

    と思うこともたくさんありました。

    実際、自分でやれば早い仕事もあります。

    部下に説明するより、自分でやった方が早い。

    部下に教えるより、自分でやった方が早い。

    そんな場面は現場では珍しくありません。

    でも、それを繰り返していると、いつまで経っても部下はその仕事ができるようになりません。

    そして、また自分がやる。

    その結果、

    「自分がいないと仕事が進まない」

    という状態がずっと続いてしまいます。

    以前の記事でも、「自分でやった方が早い」という考え方について書きました。

    仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由

    この記事でも書いたように、管理職になってからは、単純に「自分が早く仕事を終わらせる」だけではダメなんだと感じるようになりました。


    自分しかできなかった仕事を、少しずつ部下に任せた

    そこで、少しずつ仕事を任せるようにしました。

    もちろん、いきなり全部を任せたわけではありません。

    最初は一緒にやる。

    次は横で見ながらやってもらう。

    その次は、自分でやってもらって最後に確認する。

    問題がなければ、次からは任せる。

    そんな感じで、少しずつ任せる範囲を広げていきました。

    最初から完璧にできるわけではありません。

    失敗することもあります。

    「そこはそうじゃない」

    と教えることもあります。

    でも、そこで自分が全部やってしまったら、また元に戻ってしまいます。

    だから、

    できるところまで本人にやってもらう。

    そして、必要なところだけフォローする。

    これを繰り返しました。

    部下を育てるという意味では、仕事を教えるだけでは足りないと感じています。

    部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと

    仕事を覚えてきたら、今度は自分で考えてもらう。

    そして、少しずつ任せる。

    この繰り返しが大切でした。


    最初は「任せる方が大変」だった

    正直、仕事を任せ始めた頃は、自分の仕事が楽になったわけではありません。

    むしろ大変でした。

    教える時間も必要です。

    途中で確認もしなければいけません。

    失敗したら、その原因も一緒に考えないといけません。

    「こんなことなら自分でやった方が早かった」

    と思うこともありました。

    でも、そこで自分が全部やってしまったら、いつまで経っても状況は変わりません。

    だから我慢して任せる。

    最初は時間がかかっても経験してもらう。

    そして、次は一人でやってもらう。

    そうすると、少しずつ変化が出てきます。

    今まで自分がやっていた仕事を、部下が一人でできるようになる。

    それまで確認が必要だった仕事を、自分で判断して進められるようになる。

    そうやって、少しずつ「自分がやらなくてもいい仕事」が増えていきました。


    今では、ほとんどの仕事を任せられるようになった

    今では、以前は自分しかやったことがなかった仕事も、信頼できる部下にかなり任せられるようになりました。

    もちろん、全部ではありません。

    図面に書かれていないような細かい部分などは、まだ経験が浅くて判断が難しいところもあります。

    そういうところは自分がフォローします。

    でも、それくらいならいいと思っています。

    昔は、

    「課長がいないと何も進まない」

    という状態でした。

    今は、

    「基本的な仕事は部下が進めて、判断が必要なところだけ課長が対応する」

    という状態になっています。

    この違いはかなり大きいです。

    課長がすべてを判断する必要がなくなれば、現場を離れることもできます。

    休みを取ることもできます。

    出張に行くこともできます。


    一番うれしかったのは、任せた部下が今度は教える側になったこと

    そして、一番うれしかったのがここです。

    任せた部下が仕事を覚えただけではなく、

    今度は下の人に教える側になったこと。

    もちろん、

    「今度は自分が教える側になってくれ」

    と自分からお願いしました。

    最初は自分が教えていた仕事です。

    それを部下が覚える。

    そして今度は、その部下が別の人に教える。

    こうなると、かなり大きいです。

    今まで、

    自分 → 部下

    だったものが、

    自分 → 部下 → その下の部下

    という流れになります。

    自分一人がすべてを教える必要がなくなります。

    部下が成長して、さらに別の人を育てる。

    課長として、これはかなり大きな変化だと思っています。


    「自分がいないと回らない職場」は、本当に良い状態なのか

    課長になったばかりの頃は、

    「自分がいないと回らない」

    ということを、ある意味では仕方ないと思っていました。

    課長なんだから、自分が判断しないといけない。

    自分が一番分かっているから、自分がやらないといけない。

    そう考えていました。

    でも、今は少し考え方が変わりました。

    もちろん、課長が判断しないといけない重要な仕事はあります。

    最終的な判断や責任は課長が持つ必要があります。

    でも、

    日常の仕事まで課長がいないと進まない状態は、あまり良くない。

    そう思うようになりました。

    課長が休めない。

    出張にも行けない。

    少し現場を離れただけで仕事が止まる。

    これでは課長自身もしんどくなります。

    そして、部下もいつまで経っても自分で判断できるようになりません。


    課長がいない時に「何かあったら呼んで」くらいが理想

    今の自分が目指しているのは、

    課長がいない間も、普通の仕事は普通に進んでいる状態です。

    そして、

    「何か問題が起きた」

    「これはちょっとマズそうだ」

    という時だけ、自分が対応する。

    それくらいが一番いいと思っています。

    ずっと現場を監視する必要はありません。

    何でも自分で判断する必要もありません。

    部下が自分で判断できるところは任せる。

    そして、本当に必要な時だけ課長が出ていく。

    そういう環境を作ることも、課長の仕事の一つなんじゃないかと思うようになりました。


    課長が休めるようになったのは、部下が成長した証拠だった

    昔の自分は、出張に行くと、

    「大丈夫かな」

    と心配していました。

    実際、戻ってきたら仕事がほとんど進んでいないこともありました。

    でも、今は違います。

    自分がいなくても、ほとんどの仕事が進んでいます。

    そして、任せた部下がさらに下の人へ仕事を教えています。

    ここまで来ると、

    「自分が頑張って現場を回している」

    という感覚ではなくなります。

    部下が自分たちで現場を回してくれている。

    そう感じるようになりました。

    これは課長として、かなり大きな変化です。


    「自分がいなくても回る」は、課長が必要ないという意味ではない

    ここは誤解してほしくありません。

    課長がいなくても現場が回るからといって、

    「課長はいらない」

    ということではありません。

    むしろ逆です。

    課長が細かい仕事を全部抱え込むのではなく、

    • 部下に仕事を任せる
    • 人を育てる
    • 判断が必要なところで判断する
    • 問題が起きた時に対応する
    • チーム全体を見る

    こういった仕事に時間を使えるようになります。

    課長が現場の細かい仕事を全部やることが、課長の仕事ではありません。

    人を育てて、チームとして仕事が回る状態を作ること。

    それも課長の重要な仕事だと思っています。


    まとめ|自分がいなくても回る職場は、少しずつ作っていく

    課長になったばかりの頃は、自分がいないと仕事が進みませんでした。

    出張から帰ってきても、仕事がほとんど進んでいないこともありました。

    でも、そこから少しずつ変えていきました。

    自分しかできなかった仕事を部下に任せる。

    最初は一緒にやる。

    次は見守る。

    その次は一人でやってもらう。

    できるようになったら、今度は下の人に教えてもらう。

    その積み重ねで、少しずつ「自分がいなくても回る職場」に近づいていきました。

    もちろん、今でも自分が判断しないといけない仕事はあります。

    それでいいと思っています。

    全部を課長が抱える必要はありません。

    課長がいなくても普通の仕事が進み、問題が起きた時だけ課長が対応する。

    自分は、そんな職場が理想だと思っています。

    課長が休んでも現場が回る。

    出張に行っても仕事が止まらない。

    そして、部下が自分で考え、今度は下の人を育てていく。

    そこまでできるようになれば、課長自身も本来やるべき仕事に集中できます。

    そして何より、

    「自分がいなくても大丈夫だ」

    と思えることは、課長にとって大きな安心感になります。

    最初からそんな職場を作るのは難しいです。

    自分も最初はできませんでした。

    でも、少しずつ仕事を任せて、経験してもらって、教える側になってもらう。

    その積み重ねで、少しずつ変わっていきました。

    課長がいなくても回る職場は、課長が必要ない職場ではありません。

    課長がいなくても回るように人を育て、仕組みを作り、必要な時に判断する。

    それこそが、課長の仕事なのかもしれません。

  • 部下に仕事を任せるのが怖かった課長が、任せられるようになるまで

    部下に仕事を任せるのが怖かった課長が、任せられるようになるまで

    課長になって、部下に仕事を任せるようになった。

    今では、ほとんどの仕事を部下に任せて、自分は最後に確認するくらいになっている。

    でも、最初からそうだったわけではない。

    むしろ課長になったばかりの頃は、部下に仕事を任せることが怖かった。

    「もし失敗したら、自分が責任を取らないといけない」

    もちろん、それもあった。

    でも、自分が一番怖かったのは、

    「もし失敗したら、自分はちゃんとリカバリーできるのか?」

    ということだった。

    課長になると、自分一人で仕事をしていた頃とは違う。

    自分が直接作業するのではなく、部下に仕事を任せて、その結果に対して責任を持つ。

    この感覚に慣れるまで、かなり時間がかかった。


    仕事を任せるのが怖かった理由

    仕事の中には、少しぐらい間違えても簡単にやり直せるものがある。

    でも、すべての仕事がそうではない。

    場合によっては、一度ミスすると後から修正するのが大変になる仕事もある。

    だから部下に仕事を任せる時、

    「本当に任せて大丈夫かな?」

    「途中で問題が起きたらどうしよう?」

    「もし失敗したら、リカバリーするのは大変だろうな……」

    と考えてしまっていた。

    頭では、

    「部下に仕事を任せないといけない」

    と分かっている。

    でも、気持ちがついてこない。

    任せた方がいいと思いながらも、気になって自分で確認してしまう。

    そんな状態だった。


    何時間おきに仕事を見に行っていた

    当時の自分は、部下に仕事を任せると、何度も様子を見に行っていた。

    「ちゃんと進んでいるかな」

    「変なところで止まっていないかな」

    「間違ったやり方をしていないかな」

    そんなことが気になって仕方がなかった。

    何時間おきかに様子を見に行く。

    そして、

    「そこ大丈夫?」

    「進み具合どう?」

    と確認する。

    今思えば、かなり細かく見ていたと思う。

    部下からすれば、

    「また課長が見に来た」

    と思っていたかもしれない。

    でも、その頃の自分にとっては、それくらいしないと不安だった。

    仕事を任せているというより、

    任せた仕事をずっと監視しているような状態だった。

    これでは、部下も自分で考えて仕事をするのが難しくなる。

    今振り返ると、そこは自分自身も変わらないといけなかった部分だと思う。


    ある部下を見て「任せても大丈夫かもしれない」と思った

    そんな中で、自分の考え方が変わるきっかけになった部下がいた。

    その部下は、仕事を進めるのが特別早いタイプではなかった。

    むしろ、慎重に進めるタイプだった。

    分からないことがあると、そのまま適当に進めるのではなく、自分から質問しに来る。

    最初は、

    「ちょっと進むのが遅いな」

    と思うこともあった。

    でも、ある時から見方が変わった。

    「この子は、分からないことがあったらちゃんと聞きに来るな」

    そう思ったからだ。

    これは、仕事を任せる側からすると、かなり大きい。

    全部を完璧にできる人じゃなくてもいい。

    分からないことを勝手に判断して突っ走らない。

    問題が起きた時に黙って抱え込まない。

    必要な時には、ちゃんと相談してくれる。

    それなら、

    「この人なら、ある程度任せても大丈夫かもしれない」

    と思えるようになった。

    実際、waka-log.comでも「質問できる部下は成長する?」という記事を書いている。

    質問すること自体が悪いのではなく、分からないことを確認して、次に自分でできるようになることが大切だと、課長になって感じるようになった。

    質問できる部下は成長する?|課長になって分かった「伸びる部下」の特徴


    「任せる」と「放っておく」は違う

    部下に仕事を任せるようになって、分かったことがある。

    それは、

    仕事を任せることと、放っておくことは違う

    ということだ。

    最初から、

    「じゃあ、よろしく」

    と全部丸投げする必要はない。

    むしろ、最初はある程度見ておいた方がいい。

    分からないところがあれば質問してもらう。

    必要ならこちらから確認する。

    途中で問題が起きそうなら、早めに声をかける。

    そして、部下が一人で進められるようになってきたら、少しずつ自分が見る時間を減らしていく。

    自分の場合は、そうやって徐々に任せられるようになった。

    最初から「信じて全部任せる」のではなく、

    「確認する量を少しずつ減らしていく」

    という感覚の方が、自分には合っていた。


    任せるのが怖いなら、最初から全部任せなくていい

    今思えば、当時の自分は、

    「任せるか、任せないか」

    を極端に考えすぎていた。

    でも、実際にはその間がある。

    例えば、

    「ここまでは任せる」

    「ここまで進んだら一度報告して」

    というやり方でもいい。

    最初は細かく確認する。

    問題がなければ、次は確認する間隔を少し空ける。

    それでも大丈夫なら、さらに任せる範囲を広げる。

    そうやって、

    部下が成長するのと一緒に、自分も少しずつ手を離していく。

    これなら、任せる側の不安もかなり減る。

    この考え方は、以前書いた「部下を育てるとは?」という記事ともつながっている。

    仕事を教えるだけではなく、できるようになった部分から少しずつ任せる。

    それを繰り返すことで、部下が自分で判断できるようになっていった。

    部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと


    今では、ほとんど任せている

    今では、その部下にはほとんどの仕事を任せている。

    自分がやるのは、最後の確認くらいだ。

    以前のように、何時間おきに様子を見に行くこともなくなった。

    「大丈夫かな」とずっと心配することも少なくなった。

    もちろん、任せた以上、最終的な責任は自分にもある。

    でも、

    「何かあったら相談に来てくれる」

    という安心感があるだけで、任せる側の気持ちはかなり違う。

    そして、これは部下にとっても良かったと思う。

    ずっと課長に確認されながら仕事をするより、自分で考えて進める方が経験になる。

    任されることで、

    「自分でやってみよう」

    という気持ちも出てくる。

    結果的に、部下自身の成長にもつながっていった。


    部下に任せられると、課長自身の仕事も変わる

    部下に仕事を任せられるようになって、一番変わったのは自分の時間だった。

    単純に、自分が抱える仕事が減った。

    でも、それだけではない。

    部下に任せられるようになったことで、課長として別の仕事に時間を使えるようになった。

    例えば、他部署からクレームや問題が出てきた時。

    以前なら、自分の仕事に追われながら対応しなければならなかった。

    でも、部下がある程度の仕事を任せられる状態になってくると、自分は別の問題に時間を使える。

    部下の仕事をずっと見ているのではなく、

    • 部署全体の問題を考える
    • 他部署との調整をする
    • 部下の育成を考える
    • トラブルが起きた時に対応する
    • 今後の仕事の進め方を考える

    そういった、課長だからこそやるべき仕事に時間を使えるようになる。

    ここは、実際に部下へ仕事を任せてみて初めて分かったことだった。

    実際に「仕事を抱え込まず、部下に任せること」については、こちらの記事でも詳しく書いている。

    仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由


    最初から完璧な部下なんていない

    課長になったばかりの頃は、

    「仕事ができる人じゃないと任せられない」

    と思っていた。

    でも、今は少し考え方が違う。

    もちろん、仕事ができることは大切だ。

    でも、それだけではないと思っている。

    分からないことを聞けること。

    問題があった時に報告できること。

    自分で考えながら仕事を進められること。

    こういう部分も、仕事を任せる上ではすごく大事だ。

    最初から完璧に仕事ができる人なんて、なかなかいない。

    だからこそ、

    「今どこまで任せられるのか」

    を見ることが大切なんだと思う。

    できることが増えれば、任せる範囲も増やせばいい。

    まだ難しい部分があるなら、そこだけ課長がフォローすればいい。

    全部を任せる必要はない。


    部下を育てることは、自分の仕事を減らすことでもある

    課長になったばかりの頃は、部下に仕事を任せることが怖かった。

    失敗したらどうしよう。

    リカバリーできなかったらどうしよう。

    そう考えて、細かく確認していた。

    でも、部下が成長して、自分で考えて、分からないところは質問してくれるようになる。

    そこまで来ると、少しずつ手を離せるようになる。

    そして分かったのは、

    部下を育てることは、自分の仕事を減らすことでもある

    ということだった。

    もちろん、「楽をするために部下へ仕事を押し付ける」という意味ではない。

    部下ができる仕事を増やすことで、課長は課長にしかできない仕事に集中できるようになる。

    これが、本当の意味で仕事を任せるということなのかもしれない。


    任せるのが怖い課長へ

    もし今、

    「部下に仕事を任せるのが怖い」

    「任せたら失敗しそうで、結局自分でやってしまう」

    と思っている課長がいるなら、いきなり全部任せなくてもいいと思う。

    最初は細かく見てもいい。

    小さな仕事から任せてもいい。

    「ここまでやったら一度報告して」

    と区切ってもいい。

    そして、

    「この人なら、何かあった時にちゃんと相談してくれる」

    と思えるようになったら、少しずつ手を離していけばいい。

    自分もそうだった。

    最初から部下を完全に信じられたわけではない。

    仕事を任せて、確認して、また任せて。

    それを繰り返しているうちに、少しずつ任せられるようになった。

    今では、以前あれだけ怖かった仕事を、ほとんど部下に任せられるようになった。

    部下を信じて任せることは、部下の成長だけではなく、自分自身が課長として成長することにもつながる。

    「任せるのが怖い」と感じているなら、それは責任感があるからこそかもしれない。

    だからこそ、いきなり手を離すのではなく、少しずつでいい。

    任せる範囲を少し広げる。

    それだけでも、課長としての仕事の仕方は少しずつ変わっていくと思う。


    まとめ

    部下に仕事を任せるのが怖かった自分も、最初から任せられたわけではない。

    何度も確認して、失敗を心配して、細かく見ていた。

    でも、

    • 分からないことを質問できる
    • 問題があれば報告できる
    • 自分で考えて仕事を進められる

    そんな部下の姿を見て、少しずつ任せられるようになった。

    そして今では、部下に任せることで、自分自身も課長として本来やるべき仕事に時間を使えるようになった。

    仕事を任せることは、部下を信じることでもあり、自分が課長として一歩成長することでもある。

    いきなり全部任せなくていい。

    まずは一つ。

    そこから少しずつ、任せられる仕事を増やしていけばいいと思う。

  • 課長になって分かった、会社で評価される人の共通点|現役課長が部下を見て感じたこと

    課長になって分かった、会社で評価される人の共通点|現役課長が部下を見て感じたこと

    「頑張っているのに、なかなか会社で評価されない」

    「仕事はちゃんとやっているつもりなのに、なぜか評価されない」

    会社で働いていると、そんなふうに感じることがあると思います。

    私自身、課長になる前は、

    「仕事ができる人が評価される」

    と、単純に考えていました。

    仕事が早い。

    知識がある。

    ミスが少ない。

    そういう人が評価されるものだと思っていたんです。

    ところが、実際に課長になり、部下を評価する立場になってみると、それだけではないことに気づきました。

    もちろん、仕事ができることは大切です。

    でも、私が「この人は評価したい」「もっと仕事を任せたい」と感じる人には、仕事の能力だけではない共通点があります。

    それは、安心して仕事を任せられる人であることです。

    今回は、課長として部下を見てきた私が感じた、会社で評価される人の共通点について書いてみたいと思います。


    1.約束したことをきちんと守る人

    私が部下を見るとき、まず大切だと思っているのが「約束を守ること」です。

    これは、特別な能力ではありません。

    例えば、

    「この仕事を○日までにやります」

    「○時までに報告します」

    「ここまで終わったら連絡します」

    と自分で言ったのであれば、その約束を守る。

    当たり前のことに思えるかもしれません。

    でも、上司の立場になってみると、この「当たり前」ができる人は非常に信頼できます。

    反対に、仕事の能力が高くても、約束したことを忘れたり、期限を守らなかったりする人には、なかなか安心して仕事を任せられません。

    一度や二度の失敗なら、誰にでもあります。

    私が気になるのは、同じことを何度も繰り返してしまうケースです。

    「この人に任せたら、言ったことを最後までやってくれる」

    そう思えることは、上司からすると大きな安心感になります。

    会社で評価されるために、特別なことをする必要はありません。

    まずは、約束したことを守る。

    私は、それが信頼を作る基本だと思っています。


    2.自分の仕事だけでなく、周りにも協力できる人

    もう一つ、私が評価したいと思うのが、周りと協力できる人です。

    会社の仕事は、一人だけで完結するものばかりではありません。

    自分の仕事だけ終わればいい。

    あとは知らない。

    そんな考え方では、どうしてもチームとして仕事が回りにくくなります。

    反対に、

    「何か手伝えることありますか?」

    と声をかけたり、忙しそうな人がいれば少し手を貸したりする人は、自然と周りから信頼されていきます。

    もちろん、自分の仕事を放置してまで他人を助ける必要はありません。

    まず自分の仕事をきちんとやる。

    そのうえで、周りにも目を向けられる。

    そういう人は、管理職から見ても評価したいと思います。

    なぜなら、仕事ができるというのは、単純に「自分一人の作業が早い」ということだけではないからです。

    チーム全体で仕事を進められる人も、会社にとって大切な人材です。

    一方で、管理職自身が何でも抱え込んでしまうと、チーム全体の仕事が回らなくなることもあります。

    私自身も、課長になってから「全部自分でやらなければ」と考えることの難しさを経験しました。

    仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由

    部下に仕事を任せることも、チームで仕事を進めるためには大切なことだと思っています。


    3.時間や期限にルーズではない人

    逆に、上司として気になるのが「ルーズさ」です。

    例えば、

    • 約束した時間を守らない
    • 仕事の期限を守らない
    • 頼まれたことを忘れる
    • 報告しなければいけないことを放置する
    • 問題が起きても連絡しない

    こういったことが続くと、どれだけ仕事の能力が高くても、信頼を得るのは難しくなります。

    上司からすると、

    「この仕事を任せても大丈夫かな?」

    という不安が残るからです。

    反対に、仕事の経験が浅くても、期限や約束をきちんと守る人なら、

    「この人なら任せられる」

    と思えます。

    つまり、評価されるうえでは、能力だけでなく「安心して任せられるかどうか」も重要なんです。

    仕事ができる人を評価する。

    これは当然です。

    でも、仕事を安心して任せられる人も、管理職からすると非常にありがたい存在です。


    4.分からないことを、そのままにしない人

    私が部下を見ていて、「この人は成長したな」と感じた出来事があります。

    以前、人事評価のときに、ある部下に対して、

    「仕事で分からないことがあったら、ノートを取るなりしたほうがいい」

    と伝えたことがありました。

    すると、その部下は言われたことを素直に実践しました。

    分からないことをノートに書く。

    教えてもらったことを残しておく。

    あとから見返して確認する。

    それを繰り返していくうちに、以前よりも仕事を覚えるようになりました。

    そして、実際にかなり仕事ができるようになっていきました。

    私はこの経験から、「素直に人の話を聞いて、実際の行動に移せる人」は強いと感じました。

    アドバイスを受けたとき、

    「分かりました」

    と言うだけなら、誰でもできます。

    でも、本当に行動を変える人はそれほど多くありません。

    分からないことをそのままにしない。

    教えてもらったことを覚える。

    同じことを何度も聞かないように工夫する。

    こういう姿勢は、仕事の成長にもつながります。

    そして、成長している人は、上司から見ても自然と評価したくなるものです。


    5.アドバイスを「行動」に変えられる人

    先ほどの話ともつながりますが、私が課長になって特に感じるのが、言われたことを実際の行動に変えられるかどうかの違いです。

    例えば、

    「報告をもう少し早めにしてほしい」

    と伝えたとします。

    そこで、

    「分かりました」

    と言って終わる人もいます。

    一方で、次の日から早めに報告するようになる人もいます。

    この違いは大きいです。

    もちろん、一度言われただけですぐ完璧にできる必要はありません。

    大切なのは、

    「前に言われたことを意識しているか」

    「少しでも改善しようとしているか」

    ということです。

    上司からすると、注意したことやアドバイスしたことが、次の仕事で少しずつ改善されていくと、

    「ちゃんと聞いてくれているな」

    と感じます。

    そして、それが信頼につながります。

    評価される人は、アドバイスを聞くだけで終わらず、行動に変えられる人です。


    6.私が一番大切だと思うのは「報連相」

    ここまでいくつか挙げてきましたが、

    「仕事ができるようになるために、一番大切なことは何ですか?」

    と聞かれたら、私は「報連相」と答えます。

    報告・連絡・相談です。

    これは、課長になって部下を見るようになって、改めて重要だと感じました。

    例えば、仕事で分からないことがあれば相談する。

    仕事がどこまで進んでいるのか報告する。

    問題が起きたら、早めに連絡する。

    これだけでも、上司とのコミュニケーションは大きく変わります。

    上司からすると、部下が何を考えているのか、どこまで仕事を理解しているのか、何に困っているのかが分かるからです。

    分からないところがあれば教えることができます。

    困っているならフォローできます。

    仕事が順調なら、次の仕事を任せることもできます。

    逆に、何も報告がないと、

    「今どこまで進んでいるんだろう?」

    「ちゃんと理解できているのかな?」

    「何か困っていることはないのかな?」

    と、上司側からすると分からないことが増えてしまいます。

    だから私は、報連相を大切にしています。

    報連相は、単なる会社のルールではなく、上司との信頼関係を作るためのコミュニケーションでもあると思っています。


    7.「仕事ができる人」と「評価される人」は少し違う

    課長になる前の私は、

    「仕事ができる人=評価される人」

    だと思っていました。

    でも、実際に評価する側になってみると、少し違います。

    もちろん、仕事ができることは重要です。

    ただ、それだけではありません。

    例えば、仕事は早いけれど報告をしない人。

    能力は高いけれど約束を守らない人。

    一人では仕事ができるけれど、周りと協力できない人。

    こういう人は、管理職からすると仕事を任せることに不安が残ります。

    一方で、仕事のスピードは普通でも、

    「ここまで終わりました」

    「ここが分からないので教えてください」

    「このままだと期限に間に合わないかもしれません」

    と、きちんと報告や相談ができる人は安心できます。

    だから私は、評価される人には「仕事の能力」と同じくらい「信頼される力」があると思っています。


    課長になってから分かった「評価される人」の共通点

    課長として部下を見るようになって、私が「この人は評価したい」と感じる人には、こんな共通点があります。

    • 約束したことを守る
    • 時間や期限を守る
    • 周りと協力できる
    • 分からないことをそのままにしない
    • アドバイスを素直に聞く
    • 言われたことを行動に移す
    • 報告・連絡・相談ができる
    • 問題が起きたときに早めに相談できる

    どれも、ものすごく特別な能力ではありません。

    むしろ、当たり前のことが多いと思います。

    でも、管理職になって部下を評価する立場になったからこそ、私はこの「当たり前」の重要性を強く感じるようになりました。


    課長になると「評価する側」の難しさも分かる

    課長になる前は、自分がどう評価されるかを気にすることが多かったと思います。

    「もっと頑張らないと評価されない」

    「もっと成果を出さないといけない」

    そんなふうに考えていました。

    でも、実際に課長になってみると、今度は自分が部下を見る側になります。

    部下の仕事ぶりを見て、仕事を任せる。

    必要なら注意する。

    困っていればフォローする。

    そして、人事評価ではその人の仕事ぶりを評価する。

    この立場になると、管理職には管理職なりの難しさがあることも分かってきます。

    課長になってから毎日しんどい人へ|実際になってわかった管理職の現実

    課長になると、上司からは会社の方針や成果を求められ、部下からは相談や不満を受けることもあります。

    その間に立つからこそ、課長という仕事は思っていた以上に大変です。

    そして、そんな立場になったからこそ、「上司は部下のどこを見ているのか」ということも、以前よりはっきり分かるようになりました。


    まとめ|会社で評価される人は「安心して仕事を任せられる人」

    会社で評価されたいと思うと、

    「もっと仕事を早くしなければ」

    「人より難しい仕事をしなければ」

    「何か特別な成果を出さなければ」

    と考えてしまうかもしれません。

    もちろん、それも大切です。

    でも、課長になって部下を評価する側になった今の私が思うのは、まず**「安心して仕事を任せられる人になること」**が大切だということです。

    約束を守る。

    期限を守る。

    周りに協力する。

    分からなければ相談する。

    問題があれば早めに報告する。

    そして、アドバイスされたことを少しずつ行動に変えていく。

    こうした積み重ねが、上司からの信頼につながっていきます。

    もし今、

    「頑張っているのに会社で評価されない」

    と感じているなら、いきなり特別なことをする必要はないと思います。

    まずは、報連相を意識することから始めてみてください。

    分からなければ相談する。

    頼まれたことが終われば報告する。

    問題があれば早めに伝える。

    それだけでも、上司とのコミュニケーションは変わってきます。

    そして、コミュニケーションが増えれば、仕事を教えてもらう機会も増えていきます。

    私自身、課長になって部下を見る立場になったからこそ、

    「評価されること」と「仕事ができるようになること」は、別々のものではなく、信頼を積み重ねることでつながっていくものなんだな

    と感じています。

  • 質問できる部下は成長する?|課長になって分かった「伸びる部下」の特徴

    質問できる部下は成長する?|課長になって分かった「伸びる部下」の特徴

    「分からないことがあっても、なかなか質問してこない」

    「逆に、何でもすぐ聞いてくる部下もいる」

    部下を育てていると、こんなことで悩むことがあります。

    仕事ができる人というと、「人に聞かず、自分で考えてどんどん仕事を進める人」をイメージする人も多いのではないでしょうか。

    私も以前はそう思っていました。

    分からないことがあっても自分で調べて、自分で判断して、テキパキ仕事を進める人のほうが優秀だと思っていたんです。

    しかし、製造業で課長になり、実際に部下を育てる立場になってから、その考え方は少し変わりました。

    今では、「質問できること」も部下の大切な能力の一つだと考えています。

    ただし、何でも聞けばいいという話ではありません。

    私が部下を育ててきた中で感じたのは、「質問する人」と「質問を成長につなげられる人」は違うということです。

    この記事で分かること

    この記事では、課長として部下を育ててきた経験から、次のことについて書いていきます。

    • 質問できる部下が成長しやすい理由
    • 「何でも聞く人」と「質問できる人」の違い
    • 自分で考えてから質問することの大切さ
    • 部下が質問しやすい環境を作るために上司ができること
    • 私が実際に育てた部下がどう変わっていったのか

    結論|質問できる部下は、将来的に仕事を任せやすい

    先に結論から言います。

    私は、分からないことをきちんと質問できる部下は、成長しやすいと感じています。

    もちろん、質問するだけで仕事ができるようになるわけではありません。

    大切なのは、

    分からないことを質問する
    ↓
    教えてもらう
    ↓
    自分でやってみる
    ↓
    次は自分で判断できるようになる

    この繰り返しです。

    このサイクルができる人は、最初は仕事が遅くても、少しずつ一人でできる仕事が増えていきます。

    そして最終的には、上司から見ても「この仕事は任せても大丈夫」と思える人になっていきます。

    質問することは「仕事ができない」ということではない

    仕事で分からないことがあったとき、誰かに聞くことを恥ずかしいと思う人もいるでしょう。

    「こんなことも知らないと思われたくない」

    「前にも教えてもらったかもしれない」

    「忙しそうだから聞きづらい」

    そんな気持ちになるのも分かります。

    私自身も、部下から同じような質問を何度も受けると、「まだ覚えていないのか」と思うことはあります。

    ただ、分からないまま仕事を進めてしまうことのほうが怖い。

    特に製造業では、ちょっとした判断ミスが後工程に影響したり、やり直しにつながったりすることがあります。

    だったら、早い段階で確認したほうがいい。

    私は部下を見るとき、「質問したかどうか」だけでは判断しません。

    見るのは、その質問の中身です。

    「何でも聞く人」と「質問できる人」は違う

    ここはかなり重要だと思っています。

    同じ「質問する」という行動でも、意味が全然違うからです。

    例えば、

    「これ、どうしたらいいですか?」

    と毎回聞いてくる人。

    もちろん、仕事を覚える段階ではこういう質問も必要です。

    でも、ある程度経験を積んでいるのに、何も考えず毎回同じように聞いているのであれば、なかなか成長にはつながりません。

    一方で、

    「私はこういう理由でこうしようと思っています。ただ、この部分だけ判断できないので教えてください」

    という質問なら、話は変わります。

    こちらも答えを教えやすいですし、本人も「なぜその答えになるのか」を理解できます。

    そして次に似たような場面が出てきたとき、自分で判断できる可能性が高くなります。

    だから私は、

    質問の回数より、質問するまでに何を考えたか

    を見るようになりました。

    私が育てた部下も、最初はよく質問していた

    実際に私が育てた部下にも、最初はよく質問する人がいました。

    仕事を覚えるまでは、こちらがある程度付きっきりで教える必要がありました。

    仕事を進めていて疑問が出てくると、その都度こちらに確認してきます。

    正直なところ、最初は、

    「まだ一人でやるのは難しいのかな」

    と思うこともありました。

    仕事の進み方も、決して早いほうではありませんでした。

    周りから見れば、もっとテキパキ仕事を進める人のほうが「仕事ができる人」に見えたかもしれません。

    それでも、その部下には一つ良いところがありました。

    分からないことを、そのままにしなかったことです。

    疑問があれば聞く。

    教えてもらったら自分でやってみる。

    また分からないことが出てきたら確認する。

    それを繰り返していました。

    私は、その積み重ねが大きかったと思っています。

    質問したあとに「自分でやってみる」ことが成長につながる

    部下を育てていると、答えを教えるだけでは成長しないと感じることがあります。

    上司が全部答えてしまえば、その場では仕事が進みます。

    でも、次に同じような問題が起きたら、また上司に聞くことになります。

    だから私は、できるだけ部下自身に考えてもらうようにしています。

    例えば、

    「どう考えた?」

    「自分だったらどうする?」

    「その理由は?」

    と聞き返すことがあります。

    もちろん、緊急性が高い仕事や間違えると大きな問題になる場合は、すぐに答えを伝えます。

    でも、時間に余裕がある仕事なら、少し考える時間を与える。

    そうすると、部下自身が考えるようになります。

    最初は時間がかかっても、何度か経験すると少しずつ判断できるようになっていきます。

    慎重な部下は「仕事が遅い」と評価されることもある

    質問が多い部下には、弱点もあります。

    確認しながら仕事を進めるので、最初はどうしても時間がかかります。

    周りに仕事が早い人がいれば、余計に遅く見えるでしょう。

    上司としても、

    「もう少し早くできないかな」

    と思うことはあります。

    でも、そこで「仕事が遅いからダメ」と判断してしまうのは、少し早いと思っています。

    大切なのは、その人が成長しているかどうかです。

    例えば、

    1. 分からないことを確認する
    2. 教えてもらったことを理解する
    3. 自分でやってみる
    4. 次は自分で判断する

    この流れができているのであれば、最初に時間がかかることはそれほど問題ではありません。

    むしろ、仕事を覚える途中なのに「早くやれ」とだけ言ってしまうと、分からないことを隠してしまう可能性があります。

    それは上司としても避けたいところです。

    その部下も、いつの間にか「任せられる人」になった

    その部下も、最初から何でもできたわけではありません。

    私が付きっきりで教える時期もありました。

    でも、仕事を覚えてきたら、少しずつ任せる範囲を広げていきました。

    最初は細かく確認していた仕事も、

    「ここから先は任せるから、自分で考えてやってみて」

    という形に変えていきました。

    すると、ある時からこちらが細かく確認しなくても、自分で判断して仕事を進められるようになっていました。

    今では、ほとんどの仕事を任せています。

    振り返ってみると、最初にたくさん質問していたことは、決して悪いことではありませんでした。

    むしろ、分からないことを一つずつ解決してきたからこそ、今につながっているのだと思います。

    ここは、部下育成をしていて私自身が考え方を変えたところです。

    → 「育てた部下を異動させられた課長の本音|人材育成は誰のため?」

    上司が「質問しやすい環境」を作ることも大切

    部下が質問してこないとき、

    「この人は自分で考えられるから聞いてこないんだ」

    と考えることがあります。

    もちろん、本当に自分で判断できる場合もあります。

    でも、そうとは限りません。

    「こんなことを聞いたら怒られる」

    「前にも聞いたから、また聞くのは恥ずかしい」

    「忙しそうだから話しかけにくい」

    そんな理由で質問できないだけかもしれません。

    上司が、

    「そんなことも分からないの?」

    「前にも教えたよね?」

    と何度も言ってしまえば、部下はどんどん聞きづらくなります。

    分からないことを聞かずに、自分の判断で進めてしまう。

    その結果、後から大きなミスが発覚する。

    これでは本人にとっても、上司にとっても良くありません。

    だから、部下を育てる立場になってからは、質問できる環境を作ることも上司の仕事だと考えるようになりました。

    ただし「何でも答える上司」になる必要はない

    ここも勘違いしないほうがいいところです。

    質問しやすい環境を作ることと、部下の質問に全部答えてあげることは別です。

    部下から、

    「どうしたらいいですか?」

    と聞かれたとき、すぐに答えを教えるのではなく、

    「自分ではどう思う?」

    と聞き返す。

    それだけでも、部下が考えるきっかけになります。

    もちろん、毎回これをやる必要はありません。

    部下の経験や仕事の内容によって、答えを教えたほうがいい場合もあります。

    大切なのは、質問を受けたときに、部下が次から一人でできるようになることを意識することだと思っています。

    管理職になると「仕事が早い人」だけでは判断できなくなる

    一般社員の頃は、自分の仕事をどれだけ早く終わらせるかを考えることが多いと思います。

    私自身もそうでした。

    でも、課長になると少し事情が変わります。

    自分一人が仕事を早く終わらせても、部署全体が回らなければ意味がありません。

    部下に仕事を覚えてもらい、任せられるようにする。

    そうすれば、自分だけに仕事が集中することも減ります。

    → 仕事ができる人ほど、仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由

    だから今は、単純に「仕事が早い人」だけを見ているわけではありません。

    分からないことを確認できる。

    自分で考えられる。

    教えられたことを次に活かせる。

    そして、少しずつ任せられる仕事が増えている。

    そういう人は、最初は目立たなくても、時間が経つと大きく成長することがあります。

    まとめ|「質問できること」は部下の成長に必要な力

    「仕事ができる人は、人に聞かず自分でどんどん進める」

    以前の私は、そんなイメージを持っていました。

    でも、課長になって部下を育てる立場になり、その考え方は変わりました。

    質問すること自体は、決して悪いことではありません。

    むしろ大切なのは、

    • 分からないことをそのままにしない
    • 自分なりに考えてから質問する
    • 教えてもらったことを次に活かす
    • 同じことを何度も聞かないようにする
    • 少しずつ自分で判断できるようになる

    ということです。

    私が育てた部下も、最初はよく質問していました。

    仕事も決して早いほうではありませんでした。

    それでも、一つずつ仕事を覚え、自分で考えることを繰り返した結果、今ではほとんどの仕事を任せられるようになりました。

    だから私は、「質問が多い=仕事ができない」とは考えていません。

    むしろ、分からないことを放置せず、質問して、そこから学ぼうとする姿勢は、部下が成長するうえで大切な力だと思っています。

    そして上司の側も、部下が安心して質問できる環境を作る必要があります。

    部下育成は、答えを教えることだけではありません。

    質問をきっかけに、部下が自分で考え、次は一人でできるようにする。

    それが、私が課長になって部下を育てる中で感じた、育成の一つのコツです。

  • 育てた部下を異動させられた課長の本音|人材育成は誰のため?

    育てた部下を異動させられた課長の本音|人材育成は誰のため?


    「その部下を別部署へ異動させてほしい」

    社長からそう言われたとき、私はすぐには納得できませんでした。

    その部下は、私が一から仕事を教えて育ててきた人です。

    ようやく安心して仕事を任せられるようになったタイミングでした。

    もちろん会社全体で考えれば、人事異動が必要なこともあります。

    でも、人を育てる現場にいる課長としては、「なぜ今なのか」という気持ちが強く残りました。

    今回は、育てた部下を異動させると言われた経験から、管理職として感じたことを書きたいと思います。

    一から育てた部下だった

    その部下は、最初から仕事ができたわけではありません。

    仕事を教えて、失敗したら一緒に原因を考え、できるようになったら少し難しい仕事を任せる。

    そうやって少しずつ成長してきました。

    最初は私が確認しなければならないことも多くありました。

    それが今では、ほとんどの業務を任せられるようになっています。

    困ったときには相談してくる。

    必要な報告もしてくれる。

    「この仕事なら安心して任せられる」

    そう思えるところまで育ってくれました。

    課長としては、本当にありがたい存在です。

    私が部下育成で意識してきたことについては、**「部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと」**でも詳しく書いています。

    突然の異動話

    社長が退院して会社に戻ってきてから、組織の見直しが始まりました。

    その中で、私の部下を別部署へ異動させるという話が出ました。

    異動先は、私も見ている別の部署です。

    そこは正直、ミスやクレームが多い部署でした。

    もちろん、その部署も大変です。

    人手が必要なのも理解しています。

    会社全体で考えれば、人員を動かすこと自体は珍しいことではありません。

    ただ、私が引っかかったのは、

    「なぜ、このタイミングでその部下なのか」

    ということでした。

    育てた人材を失う現場の痛み

    人を育てるのは簡単ではありません。

    戦力になるまでには時間がかかります。

    教える人の時間も必要です。

    失敗のフォローも必要です。

    その積み重ねがあって、ようやく任せられる人材になります。

    その人が異動すると、現場では何が起きるか。

    また一から教える必要が出てくるかもしれません。

    仕事の引き継ぎも発生します。

    チーム全体の生産性も一時的に落ちます。

    だから課長としては、簡単に「分かりました」とは言えませんでした。

    なぜこちらが穴を埋めるのか

    私がさらに納得できなかったのは、その異動先の状況です。

    その部署を教育してきたのは部長でした。

    それなのに、ミスやクレームが多いからといって、こちらで育てた人材を投入する。

    正直に言えば、

    「なぜこちらが人を出して穴を埋めるのか」

    と思いました。

    もちろん部署同士で助け合うことは必要です。

    私も自分の部署だけ良ければいいとは思っていません。

    でも、人を動かす前に考えるべきことがあるはずです。

    • なぜミスが多いのか
    • なぜクレームが減らないのか
    • 教育体制に問題はないのか
    • 管理する側に課題はないのか

    そこを改善しなければ、優秀な人を一人入れても根本的な解決にはなりません。

    課長は人を育てるために何をしているのか

    管理職になると、「人を育てろ」と言われます。

    私も部下育成は課長の重要な仕事だと思っています。

    仕事を教える。

    任せる。

    考えさせる。

    成長を支える。

    その結果、自分がいなくても仕事が回る状態を作る。

    これが管理職の役割の一つです。

    だからこそ、せっかく育てた人材を簡単に動かされると、

    「じゃあ、自分は何のために育ててきたんだろう」

    という気持ちになることがあります。

    部下に仕事を任せることの考え方については、**「仕事ができる人ほど、仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由」**でも詳しく書いています。

    異動が悪いとは思っていない

    誤解してほしくないのは、私は異動そのものに反対しているわけではありません。

    優秀な人材だからこそ、会社全体で活躍してほしいという考え方もあります。

    実際、他部署で経験を積むことで成長する人もいます。

    将来の管理職候補であれば、複数部署を経験することには意味があります。

    私も「絶対に異動させるな」と言いたいわけではありません。

    ただ、現場で人を育ててきた側の意見も聞いてほしいと思います。

    異動させるなら、

    • なぜこの人なのか
    • 異動先で何を期待しているのか
    • 元の部署への影響をどう考えるのか

    そこまで説明があれば、受け止め方も変わります。

    人は機械ではない

    人は、必要な場所へ持っていけばすぐに成果を出せるわけではありません。

    成長するまでには、

    教える人がいて、

    失敗を経験して、

    信頼関係を築いて、

    少しずつ仕事を覚えてきた時間があります。

    その過程を無視して人だけ動かしても、期待した結果になるとは限りません。

    「人を動かす」より「人を育てる」

    今回の件で改めて思ったことがあります。

    会社にとって人員配置は大切です。

    でも、それ以上に大切なのは、人を育てる仕組みを作ることではないでしょうか。

    問題がある部署に人を投入する。

    それだけなら一時的には改善するかもしれません。

    しかし、本当に必要なのは、

    教育体制を見直し、

    管理方法を改善し、

    人が育つ環境を作ることです。

    優秀な人を連れてくるだけでは、また同じ問題が起こる可能性があります。

    課長として考え続けたいこと

    今回のことで、自分自身も考えさせられました。

    課長になった以上、自分の部署だけを守ればいいわけではありません。

    会社全体を見る視点も必要です。

    他部署が困っているなら協力することも必要です。

    その一方で、現場で人を育てる苦労も理解してほしい。

    この二つのバランスを取ることが、管理職の難しさなのだと思います。

    育てた部下が会社に必要とされることは、本来は嬉しいことです。

    でも、人材育成の価値が軽く扱われるような異動であれば、現場の管理職は次第に人を育てる意欲を失ってしまいます。

    だから私は今でも思います。

    人を動かす前に、人を育てることをもっと大切にしてほしい。

    それが、育てた部下を異動させられた課長として、一番強く感じたことでした。

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  • 部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと

    部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと


    部下に仕事を教えているのに、なかなか育たない。

    最初は丁寧に教えていたはずなのに、いつまでたっても自分で判断できない。

    私も課長になったばかりの頃は、「仕事を教えること」と「部下を育てること」は同じだと思っていました。

    しかし実際に部下を持って分かったのは、この二つはまったく違うということです。

    仕事を教えるだけなら、やり方を説明してできるようになれば終わりです。

    でも、部下を育てるというのは、自分がいなくても仕事が回る状態を作ることだと思っています。

    この記事では、私が一人の部下を育ててきた経験から、「教える」と「育てる」の違いについてお伝えします。

    仕事を教えることと部下を育てることの違い

    一番の違いは、「答えを渡すこと」と「考えられるようにすること」です。

    仕事を教えるだけなら、手順やルールを説明すれば済みます。

    しかし部下を育てるには、状況が変わっても自分で判断できる力を身につけてもらう必要があります。

    例えば、

    • イレギュラーな対応ができる
    • 問題点に気づける
    • 改善案を考えられる
    • 必要なときに相談できる

    こうした力が身について初めて、「育った」と言えるのではないかと感じています。

    最初は付きっきりで教えるしかない

    その部下に仕事を教え始めた頃は、ほとんど付きっきりでした。

    何をするのか。

    どうやるのか。

    どこが重要なのか。

    一つひとつ確認しながら教えていました。

    経験のない人に最初から「自分で考えてやって」と言っても、それは丸投げです。

    まずは仕事を覚えてもらう。

    これは上司の役割だと思っています。

    ただし、ここで終わってはいけません。

    育てるために必要なのは「少しずつ任せること」

    仕事を覚えてきたら、少しずつ任せる範囲を広げていきました。

    私が意識したのは、段階を作ることです。

    最初はすぐ近くで見守る。

    次に少し離れて見守る。

    その後、一度任せて後から確認する。

    いきなり全部を任せるのではなく、「できるようになった部分だけ任せる」を繰り返しました。

    この方法に変えてから、部下は少しずつ自分で仕事を進められるようになっていきました。

    今では、私が以前やっていた仕事の多くを任せられるようになっています。

    部下に任せることの重要性については、「仕事ができる人ほど、仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由」でも詳しく書いています。

    部下が育ったと感じた瞬間

    一番嬉しかったのは、自分から改善提案を出してきたことです。

    最初の頃は教えられたことをこなすだけでした。

    しかし仕事を覚えるにつれて、

    「このやり方のほうが効率がいいと思います」

    「ここを改善すれば取引先も助かると思います」

    という提案をするようになりました。

    実際にその改善で取引先から評価される結果も出ました。

    このとき、「仕事を覚えた」のではなく、「仕事について考えられるようになった」のだと感じました。

    任せられる部下には共通点がある

    私が仕事を任せやすいと感じる部下には、一つ共通点があります。

    それは、何かあったら必ず報告してくれることです。

    「ここまでは自分で判断しました」

    「ここから先は確認したいです」

    この報告があるだけで、安心して任せられます。

    逆に、一人で抱え込んで何も報告しない人は、どれだけ能力があっても任せにくいものです。

    私は、「全部一人でできる人」よりも、自分で考えながら必要なときに周りを頼れる人のほうが、結果的に成長が早いと思っています。

    私が一番反省していること

    部下を育てる中で、一番反省しているのは、答えを先に言ってしまうことです。

    部下が考えている途中で、

    「答えはこれだよ」

    と言ってしまう。

    上司からすると、そのほうが早い。

    仕事も止まりません。

    でも、それは部下のためではなく、自分の都合だったと気づきました。

    考える時間を奪えば、その場の仕事は終わっても、次に同じ問題が起きたときにまた聞かれることになります。

    部下を育てるなら、少し待つことも必要です。

    失敗しない程度に考えさせる。

    その経験が判断力になります。

    私が実践している教え方

    今は、最初から細かく全部説明することはしていません。

    まず仕事の流れを説明します。

    そのうえで実際にやってもらいます。

    すると必ず疑問が出てきます。

    そのタイミングで教えるようにしています。

    この方法だと、部下自身が

    「何が分からないか」

    を理解できるようになります。

    私が意識しているのは、

    教える → やらせる → 考えさせる → 質問させる → また教える

    この繰り返しです。

    最初から100%教え込むより、このほうが定着しやすいと感じています。

    部下が育たないと感じたときに見直したこと

    以前の私は、「教えれば育つ」と思っていました。

    しかし実際には違いました。

    振り返ると、育たない原因は私にもありました。

    例えば、

    • 教えすぎていた
    • 任せる基準が曖昧だった
    • 報告のタイミングを決めていなかった
    • 考える前に答えを言っていた

    こうしたことを見直してから、部下との関わり方が変わりました。

    部下が育たないときは、部下だけでなく、上司の教え方にも改善点があることがあります。

    部下が育つと上司の仕事も変わる

    部下が成長すると、上司の仕事も変わります。

    最初は教えることが中心です。

    しかし部下が育ってくると、任せることが中心になります。

    さらに、その部下が後輩を教えられるようになると、チーム全体の力が上がります。

    実際に私が育てた部下も、今は後輩を教える立場になっています。

    これは本人の成長だけでなく、チームにとっても大きな意味があります。

    課長になると、自分が成果を出すことよりも、チーム全体の成果を上げることが求められるようになります。管理職になって役割がどう変わるのかについては、「仕事ができる人ほど管理職に向いている?課長になって分かった本当の違い」で詳しく解説しています。

    部下を育てるとは「できる人を増やすこと」

    課長になった頃は、仕事を覚えてもらうことばかり考えていました。

    でも今は違います。

    本当に大切なのは、自分で考えて行動できる人を増やすことです。

    仕事を教えることはスタートラインにすぎません。

    そこから、

    • 自分で判断する
    • 改善を考える
    • 必要なときに相談する
    • 後輩を教える

    ここまで成長してくれたとき、上司として大きなやりがいを感じます。

    部下を育てることは、自分の仕事を減らすことではありません。

    一人でやっていた仕事を、チーム全体の力に変えていくことです。

    それが、課長になって私が一番実感した「部下育成」の本当の意味でした。

    部下育成は、一度教えれば終わりではありません。任せ方や関わり方を変えることで、チーム全体の力も変わっていきます。部下への仕事の任せ方で悩んでいる人は、「仕事ができる人ほど、仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由」もあわせて読んでみてください。

    管理職としての働き方やキャリアに悩んでいる人は、私が比較した課長向け転職エージェントおすすめ|管理職経験を活かして転職したい人へも参考にしてください。

  • 仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由

    仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由


    「自分でやったほうが早い」

    仕事をしていると、そう思うことはないでしょうか。

    特に管理職になると、部下に任せるより自分でやったほうが早く終わる仕事はたくさんあります。

    私自身、課長になってから何度もそう思ってきました。

    しかし、部下を育てながら仕事をするようになってから、少しずつ考え方が変わりました。

    本当に仕事ができる人は、自分ですべての仕事を抱え込む人ではない。

    私は今では、そう考えています。

    自分でやったほうが早い。でも、それでは部下は育たない

    管理職になりたての頃は、部下がやるより自分がやったほうが早い仕事なら、自分でやってしまいがちです。

    間違いも少なくなりますし、説明する時間も必要ありません。

    「俺がやったほうが早い」

    そう考えてしまうのも無理はありません。

    でも、それを繰り返していると、いつまで経っても部下はその仕事を覚えられません。

    管理職が仕事を抱え込めば、一時的には効率が良くても、長い目で見ると組織が成長しないんです。

    管理職になると、仕事のやり方そのものが変わると感じています。実際に課長になって感じた違いについては、「仕事ができる人ほど管理職に向いている?課長になって分かった本当の違い」でも書いています。

    そこで私は、多少時間がかかっても、できるだけ部下に仕事を任せるようになりました。

    仕事を任せるメリットは3つある

    部下に仕事を任せることには、単に自分の負担を減らす以上の意味があります。私が課長として実感しているメリットは、次の3つです。

    • 部下が育つ
    • 自分の時間が増える
    • チームが止まらなくなる

    部下が仕事を経験することで、できる仕事が増えていきます。その結果、管理職は細かい実務から少しずつ離れ、より重要な判断や改善に時間を使えるようになります。

    さらに、一人しかできない仕事が減れば、自分が休んだときや異動したときでもチーム全体の仕事は止まりません。

    この3つのメリットを実感してから、私は「自分でやったほうが早い」という考え方だけで判断しないようになりました。

    任せるということは、丸投げすることではない

    ここは大事なところです。

    仕事を任せることと、仕事を丸投げすることは全く違います。

    「これやっといて」

    これだけで終われば、ただの丸投げです。

    私が意識しているのは、最初は確認しながら任せて、できるようになってきたら少しずつ任せる範囲を広げることです。

    最初から完璧にできる人はいません。

    失敗することもあります。

    それでも、自分で考えてやってみる経験を積ませる。

    そして必要なところだけ上司がフォローする。

    これを繰り返していくことで、少しずつ「任せられる仕事」が増えていきます。

    実際に部下に難しい仕事を任せてみた

    私が実際に部下に仕事を任せた中で、印象に残っている仕事があります。

    詳しい作業内容はここでは書けませんが、製造現場の中でも、ある程度の技術や経験がなければ難しい作業です。

    単純に手順を覚えればできるという仕事ではありません。

    仕事全体を理解していて、ある程度仕事ができるようになっていないと、任せるのは難しいと私は考えていました。

    ある時、

    「この部下ならできるんじゃないか」

    と思い、その仕事を任せてみることにしました。

    正直、最初から完璧にできるとは思っていませんでした。

    ところが、実際にやらせてみると、ちゃんとできたんです。

    もちろん、何回かやる中では苦労していました。

    私自身がやった場合と比べれば、作業スピードもまだ遅い。

    仕上がりの見栄えについても、私のほうが上だと思います。

    それでも、そこで私は考えました。

    「製品として問題なく仕上がっているなら、任せてもいいんじゃないか」

    管理職になってから、ここはかなり意識するようになりました。

    自分と同じスピード、自分と同じ仕上がりを求めてしまえば、いつまで経っても仕事を任せられません。

    もちろん、品質に問題があるなら話は別です。

    しかし、製品として十分な品質を確保できているのであれば、多少時間がかかったとしても、経験を積ませることのほうが大切な場合があります。

    今では、その仕事はその部下に任せています。

    私がやったほうが早い場面もあるかもしれません。

    それでも、彼がその仕事を任されることで経験を積み、さらにできる仕事が増えていく。

    そして私自身も、別の仕事に時間を使えるようになる。

    これこそが、仕事を任せる意味なんだと思っています。

    部下が成長すると、自分の仕事も楽になる

    部下に仕事を任せるようになると、最初はむしろ大変です。

    教える時間も必要ですし、確認もしなければなりません。

    「こんなことなら自分でやったほうが早かった」

    と思うこともあります。

    私自身もそう感じることがあります。

    でも、そこで諦めずに任せ続ける。

    すると、ある時から状況が変わってきます。

    今まで自分がやっていた仕事を、部下が一人でできるようになる。

    さらに、その部下が別の仕事まで覚えていく。

    そうなると、今度は自分が細かい仕事から少しずつ離れられるようになります。

    部下を育てることは、自分の仕事を減らすことにもつながります。

    もちろん、それだけが部下を育てる理由ではありません。

    自分が休んだときや、別の仕事をしているときでも、チームが止まらなくなるからです。

    管理職になると、自分の仕事だけでなくチーム全体を見る難しさがあります。その現実については、「課長になってから毎日しんどい人へ|実際になってわかった管理職の現実」でも詳しく書いています。

    「自分より上手くできないから任せない」は違う

    管理職になってから、もう一つ感じるようになったことがあります。

    それは、

    「自分より上手くできないから任せない」という考え方では、人は育たない

    ということです。

    部下が自分と同じレベルになるまで待っていたら、いつまで経っても仕事を任せることはできません。

    私が実際に任せた部下も、最初から私と同じスピードでできたわけではありません。

    見栄えも私のほうが上でした。

    それでも、製品として必要な品質は確保できていた。

    だから私は任せることにしました。

    そこから経験を積めば、スピードも技術も少しずつ上がっていきます。

    任せることで上手くなっていく。

    私はこれが人を育てる上で大切なことだと思っています。

    「任せられる人」が増えると、チームが強くなる

    一人の人間がどれだけ仕事ができても、その人がいなければ何も進まない。

    そんな状態では、強い組織とは言えません。

    逆に、

    「この仕事はAさんに任せられる」

    「この仕事ならBさんに任せられる」

    という状態になれば、チーム全体で仕事を回せるようになります。

    私は課長として、個人の能力だけではなく、チームとして仕事が回る状態を作ることも自分の仕事だと思っています。

    だからこそ、できる人にさらに仕事を集中させるのではなく、できるようになるまで仕事を任せることを意識しています。

    それでも「任せるのが怖い」と思う

    もちろん、部下に任せることには不安があります。

    「失敗したらどうしよう」

    「ちゃんとできるかな」

    「結局、自分がやり直すことになるんじゃないか」

    そう思うこともあります。

    でも、失敗しないように全部取り上げてしまったら、部下はいつまで経っても成長できません。

    だから私は、取り返しのつかない失敗にならないように注意しながら、ある程度は任せるようにしています。

    失敗したら、そのときに一緒に考えればいい。

    最初から完璧を求めるのではなく、少しずつできることを増やしていく。

    それが人を育てるということだと思っています。

    管理職になって分かった「任せること」の大切さ

    課長になってから、仕事に対する考え方はかなり変わりました。

    以前は「自分がどれだけ仕事をこなせるか」を考えていたと思います。

    でも今は、

    「自分がいなくても仕事が回る状態をどう作るか」

    を考えるようになりました。

    そのためには、部下に仕事を任せる必要があります。

    もちろん、すぐにはうまくいきません。

    教える時間も必要ですし、失敗もあります。

    それでも、長い目で見れば、その時間は決して無駄ではありません。

    仕事を抱え込んで、自分だけができる状態を作る。

    それよりも、

    自分ができる仕事を、他の人にもできるようにする。

    管理職としての考え方や、実際に感じたプレッシャーについては、「課長になって一番きついのは仕事じゃない|人間関係のストレスを実体験で語る」もあわせて読んでみてください。

    そのほうが、チームにとっても、自分にとっても大きな意味があります。

    最初は自分でやったほうが早いかもしれません。

    それでも、一度仕事を任せてみる。

    そして、部下が少しずつできるようになっていく姿を見る。

    その瞬間に、

    「任せてよかったな」

    と思えることがあります。

    仕事ができる人とは、何でも自分一人でできる人だけではありません。

    自分の仕事を任せられる人を増やせる人。

    私は、これも仕事ができる人の大切な条件だと思っています。

  • 製造業で人事評価される人の特徴5選|現役課長が評価基準を解説

    製造業で人事評価される人の特徴5選|現役課長が評価基準を解説

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    「仕事はきちんとしているのに、なかなか評価されない」

    「同じように働いているのに、評価される人とされない人の違いは何だろう?」

    製造業で働いていると、このような疑問を感じることはないでしょうか。

    私自身、以前は評価される側でした。仕事を任されているのだから評価されるはずだと思っていた時期もあります。

    しかし、現在は製造業で25年以上働き、課長として部下の人事評価を担当する立場になりました。

    評価する側になって分かったのは、人事評価は技術力や仕事の速さだけで決まるものではないということです。

    もちろん、仕事の成果や技術力は重要です。それに加えて、仕事への取り組み方や周囲への貢献、責任感なども評価に関わってきます。

    この記事では、現役課長として私が仕事を評価するときに重視している5つのポイントを、実際の経験を交えながら紹介します。

    製造業で人事評価される人の特徴5選

    私が部下を評価する際に重視しているのは、次の5つです。

    1. 積極的に仕事を覚えようとする
    2. 周囲と協力して仕事ができる
    3. 現場の改善を考えられる
    4. 報告・連絡・相談ができる
    5. 任された仕事に責任を持てる

    ただし、会社によって人事評価の基準は異なります。ここで紹介するのは、私が製造業の現場で働き、課長として部下を見てきた経験から感じていることです。

    1.積極的に仕事を覚えようとする

    私が評価したいと思うのは、自分から仕事を覚え、できることを増やそうとする人です。

    製造業では、経験を積まなければ身につかない技術や知識がたくさんあります。

    最初から何でもできる必要はありません。

    例えば、次のような行動です。

    • 分からないことをそのままにせず質問する
    • 新しい作業や技術を覚えようとする
    • 一度教わったことを次に活かす
    • 失敗したときに原因を考え、改善する

    こうした姿勢がある人は、少しずつ任せられる仕事が増えていきます。

    反対に、何度も同じことを聞いてしまったり、指示されたことだけをこなして終わったりすると、成長が伝わりにくくなる場合があります。

    もちろん、指示どおりに正確に仕事をすることも大切です。安全や品質に関わる作業では、勝手な判断をしないことも重要になります。

    そのうえで、自分にできることを増やそうとする姿勢は、長い目で見たときの評価につながると感じています。

    2.周囲と協力して仕事ができる

    製造業の仕事は、一人だけで完結するものではありません。

    自分の作業が終わっても、次の工程や別の部署の仕事が残っていることがあります。

    そのため、自分の仕事だけでなく、周囲の状況を見ながら行動できる人は頼りになります。

    例えば、次のような行動です。

    • 困っている同僚を手伝う
    • 他部署と必要な情報を共有する
    • 自分の作業が遅れそうなときは早めに伝える
    • 職場全体が円滑に進むように考える

    私自身、課長として部下を見ていると、個人の能力だけでなく、周囲と協力して成果を出せるかどうかも大切だと感じます。

    仕事が非常に速くても、周囲との連携がうまくいかず、結果的に職場全体の仕事が進みにくくなることもあります。

    一方で、自分の役割をきちんと果たしながら、必要なときに周囲を助けられる人は、安心して仕事を任せやすくなります。

    個人としての成果だけでなく、チームへの貢献も意識することが大切です。

    3.現場の改善を考えられる

    私が課長として働くなかで、ありがたいと感じるのが、現場の問題に気づき、自分から改善案を出してくれる部下です。

    以前、こちらから指示したわけではないのに、自分から改善案を提案してくれた部下がいました。

    その改善によって、実際に現場の作業が楽になりました。

    管理する立場になって改めて感じたのは、現場で実際に作業している人だからこそ、気づける問題があるということです。

    例えば、次のような改善です。

    • 作業の無駄を減らす
    • 道具や材料を使いやすい位置に整理する
    • ミスが起きにくい手順を考える
    • 安全性や品質を高める方法を提案する

    大きな改善である必要はありません。

    毎日の仕事のなかで気づいた小さな問題を共有することも、職場にとって価値のある行動です。

    ただし、改善案を出した人だけが評価されるというわけではありません。実際に改善を実行した人や、日々の作業を安定して支えている人の貢献も大切です。

    私が評価する側として感じるのは、職場を少しでも良くしようとする姿勢は、きちんと見ておきたいということです。

    4.報告・連絡・相談ができる

    人事評価を考えるうえで、私が特に重要だと感じているのが報告・連絡・相談、いわゆる報連相です。

    本人が一生懸命に仕事をしていても、上司がその状況を把握できていなければ、努力や成果を十分に理解できないことがあります。

    例えば、次のようなケースです。

    • 作業がどこまで進んでいるのか分からない
    • 問題が起きているのに報告がない
    • 仕事が遅れている理由が分からない
    • 改善した内容が上司に伝わっていない

    こうした状態では、上司も適切な判断がしにくくなります。

    私は部下に報連相を求めていますが、それは単に管理しやすくするためだけではありません。

    困っていることを早めに把握し、必要な支援をするためでもあります。

    また、仕事の成果や改善内容を簡潔に報告してもらえれば、何を頑張ったのかも理解しやすくなります。

    評価されないと感じている人は、仕事のやり方だけでなく、自分の成果や取り組みが上司に伝わっているかも振り返ってみてください。

    ただし、報告が多ければ必ず評価が上がるということではありません。仕事の内容や職場のルールに合わせて、必要な情報を適切に共有することが大切です。

    5.任された仕事に責任を持てる

    私が評価するうえで大切にしているのが、任された仕事を最後まで責任を持って進められるかどうかです。

    特に印象に残っているのが、私自身の若い頃の経験です。

    当時、私は出張を多く任されていました。

    仕事を任されることが増えたので、「これだけ任されているのだから、きっと評価されているはずだ」と思っていました。

    しかし、実際には自分が期待していたほど評価されませんでした。

    その経験から、仕事を任されていることと、人事評価に納得できることは、必ずしも同じではないと感じるようになりました。

    一方で、課長として部下を評価する立場になった今、安心して仕事を任せられることの大切さも実感しています。

    例えば、次のような行動です。

    • 任された仕事の期限を守る
    • 問題が起きたときに隠さず報告する
    • 自分で判断できないことは相談する
    • 最後まで責任を持って仕事を進める

    責任感がある人は、仕事を任せる側にとっても安心できる存在です。

    ただし、仕事を多く任されているからといって、必ずしも評価や給与に反映されるとは限りません。

    だからこそ、任された仕事の成果や自分が担っている役割を、上司と共有しておくことも重要だと感じています。

    人事評価に納得できないときはどうすればいい?

    ここまで、私が評価する側として重視しているポイントを紹介してきました。

    しかし、すべての会社が同じ基準で評価しているわけではありません。

    会社によっては、技術力や生産性を重視する場合もあれば、チームへの貢献や後輩の指導、改善活動などを重視する場合もあります。

    そのため、自分では頑張っているつもりなのに、評価に納得できないこともあると思います。

    そんなときは、次の3つを確認してみてください。

    1.会社の評価基準を確認する

    まずは、自分の会社で何が評価されるのかを確認しましょう。

    評価シートや社内規定がある場合は、どのような項目が評価対象になっているのかを見直します。

    基準が分からない場合は、上司との面談などで具体的に確認してみるのも一つの方法です。

    「次の評価を上げるために、どのような点を改善すればいいですか?」

    このように質問すれば、今後取り組むべきことが明確になる可能性があります。

    2.自分の成果を整理する

    日々の仕事で頑張っていても、時間が経つと自分が何をしたのか忘れてしまうことがあります。

    そこで、次のような内容を記録しておくと便利です。

    • 新しく覚えた仕事や技術
    • 作業時間やミスの削減につながった改善
    • 周囲の仕事をサポートした経験
    • 任された仕事で達成した成果

    数字で表せるものは数字で整理し、数字にしにくい貢献も具体的なエピソードとして残しておくと、面談でも説明しやすくなります。

    3.今の職場で改善できる余地があるか考える

    評価基準を確認し、自分の成果を伝えても、納得できる説明が得られない場合もあるでしょう。

    その場合は、上司との話し合いを続けるだけでなく、今の職場で働き続けることが自分にとって最善なのかを考えてみてもいいと思います。

    もちろん、すぐに転職する必要はありません。

    今の職場で改善できることがあるなら、まずはそこに取り組む方法もあります。

    一方で、仕事内容や待遇、評価制度に不満があり、改善も期待できないのであれば、ほかの会社の条件を調べてみることも選択肢です。

    今の会社で評価されないなら、ほかの選択肢を知ることも大切

    私自身、評価される側だった頃は、任された仕事を頑張れば自然と評価につながると思っていました。

    しかし、課長として評価する立場になった今でも、人事評価は簡単なものではないと感じています。

    上司が努力を見落としてしまうこともあれば、会社の評価制度そのものが自分に合っていないこともあります。

    だからといって、今までの努力に価値がなかったわけではありません。

    今の会社で評価されていないと感じるなら、自分の経験や技術をほかの会社ではどう評価してもらえるのか、調べてみるのも一つの方法です。

    すぐに転職するつもりがなくても、求人情報を見たり、自分の経験を活かせる仕事を調べたりすることで、今後のキャリアを考えるきっかけになります。

    今の職場以外の選択肢も知りたい方は、リクルートエージェントで求人情報をチェックしてみてください。

    ※サービスの内容や利用条件は、リンク先でご確認ください。

    まとめ|製造業の人事評価は仕事への姿勢や貢献も大切

    今回は、現役課長として私が人事評価で重視しているポイントを紹介しました。

    評価される人に共通していると感じるのは、次の5つです。

    • 積極的に仕事を覚えようとする
    • 周囲と協力して仕事ができる
    • 現場の改善を考えられる
    • 報連相ができる
    • 任された仕事に責任を持てる

    もちろん、これらを実践すれば必ず評価が上がるというわけではありません。会社ごとに評価基準は異なります。

    それでも、自分の仕事への取り組み方や成果を振り返ることは、今後の成長につながります。

    そして、頑張っているのに評価されないと感じたときは、自分の努力だけを責めないでください。

    評価基準を確認し、自分の成果を伝え、それでも状況が変わらないなら、ほかの選択肢を考えてみてもいいと思います。

    自分の経験や技術を活かせる場所は、今の会社だけとは限りません。