「現場のことを詳しく知らないのに、どうしてそこまで口を出してくるんだろう」
職場で、そんな疑問を感じたことはありませんか?
現場で実際に仕事をしている人間には、机の上からでは分からない事情があります。
作業にかかる時間、過去に起きたトラブル、現地で必要になる対応など、実際に仕事をしているからこそ判断できることもあります。
今回、私がそう感じたのは、出張に行く人数を決めていたときのことでした。
作業内容や現地での対応を考えたうえで人数を決めていたところ、上司から、
「そんなに人数いるのか?」
と言われました。
会社として経費を抑えたい気持ちは分かります。
しかし、現場の事情を十分に知らないまま、人数だけを見て判断されることには、どうしても違和感があります。
今回は、実際の出来事をもとに、現場を知らない上司が仕事に口を出してくるときに感じる違和感と、現場側としてどう向き合うかについて書いていきます。
出張の準備をしていたら、上司がやってきた
近いうちに予定している出張に向けて、私は準備を進めていました。
現場の担当者と相談しながら作業内容を確認し、必要なものや当日の段取りを考えていました。
すると、上司がやってきました。
「何やってるんだ?」
「何を作ってるんだ?」
そんな感じで、準備している内容について質問されました。
聞かれたことには、一つひとつ説明しました。
その後も、
「何人で行くんだ?」
「いつ行くんだ?」
と、出張についていろいろ聞かれました。
上司が出張の内容や人数を確認すること自体は、当然だと思っています。
会社のお金を使って出張する以上、管理する立場の人間が確認するのは必要なことです。
私も、その時点では特に何も思っていませんでした。
ところが、出張する人数を伝えたところ、少し話が変わってきました。
「そんなに人数いるのか?」と言われた
私が出張する人数を伝えると、上司から、
「そんなに人数いるのか?」
と言われました。
さらに、私が作業量や現地での対応を考えて人数を決めていることを説明すると、
「余裕を見すぎじゃないか」
という話になりました。
この言葉を聞いたとき、正直なところ少し引っかかりました。
「この仕事の内容を詳しく知らないのに、人数まで判断できるのだろうか?」
そんな疑問が頭に浮かびました。
もちろん、会社としてコストを考えることは大切です。
出張する人数が増えれば、交通費や宿泊費などの経費も増えます。
必要以上に人を出張させないという考え方も間違っていません。
ただ、現場で仕事をする側には、現場でしか分からない事情があります。
作業にどれくらい時間がかかるのか。
どんなトラブルが起こる可能性があるのか。
誰がどの作業を担当する必要があるのか。
過去に同じような仕事をしたとき、どんな問題が起きたのか。
私は、そういったことを考えたうえで人数を決めていました。
それなのに、作業内容を十分に把握しないまま「人数が多い」と言われると、現場としては納得しにくいものがあります。
現場の仕事は、机の上だけでは分からない
現場の仕事をしていると、事前に立てた予定どおりに進まないことは珍しくありません。
「この作業なら午前中に終わるだろう」
と思っていても、実際に始めてみると想定以上に時間がかかることがあります。
出張先で予想外のトラブルが起きることもあります。
予定していなかった対応を頼まれることもあります。
一人が別の仕事に対応してしまうだけで、全体の作業が遅れることもあります。
こういったことは、実際に現場を経験していないと分かりにくい部分です。
だから私は、出張の人数を考えるとき、単純に「最低何人いればできるか」だけでは判断しません。
何かあったときにも対応できる人数か。
予定していた作業を無理なく終えられる人数か。
そこまで考えて判断しています。
人数を多くしたいから、多めにしているわけではありません。
仕事を確実に終わらせるために必要だと判断しているからです。
「人数を減らせば効率がいい」とは限らない
会社からすれば、人数を減らせば経費を抑えられます。
だから、「できるだけ少ない人数で行く」という考え方になるのも理解できます。
しかし、人数を減らすことが、そのまま効率化になるとは限りません。
例えば、本来3人でやる仕事を2人で行ったとします。
交通費は1人分減ります。
宿泊費も1人分減ります。
一見すると、会社にとってはメリットがあります。
でも、その結果として作業時間が長くなったり、残業が増えたり、トラブルへの対応が遅れたりすれば、別のところで負担が発生します。
場合によっては、最初から適切な人数を確保していたほうが、結果的に効率が良かったということもあります。
だからこそ、人数を決めるときには、単純な人数だけではなく、仕事全体を見て判断することが大切だと思います。
現場を知らない上司に口を出されたとき、どうするか
では、現場を知らない上司から仕事について口を出されたとき、どうすればいいのでしょうか。
私自身、最近は感情的に反論しないようにしています。
正直、
「現場のことを知らないのに」
と言いたくなることもあります。
でも、そこで感情的になってしまうと、ただの「上司と部下の言い合い」になってしまいます。
だからこそ、できるだけ具体的な理由を説明するようにしています。
例えば、
「この作業にはこれくらい時間がかかります」
「以前この作業をしたときに、こういう問題がありました」
「現地でこういう対応が必要になる可能性があります」
というように、人数を決めた理由を伝えます。
上司が納得するかどうかは別として、自分が何となく人数を決めているわけではないことを伝えることは大切です。
現場を知らない相手だからこそ、感情ではなく事実で説明する。
それだけでも、無用な衝突を減らすことができます。
現場に口を出すなら、まず現場の話を聞いてほしい
私は、上司が現場の仕事に口を出すこと自体が嫌なわけではありません。
会社には会社の事情があります。
管理職には、コストや利益、会社全体のことを考える役割があります。
現場だけで、すべてを決めていいわけでもありません。
だから、上司が、
「なぜこの人数が必要なんだ?」
と確認すること自体は、必要なことだと思っています。
問題なのは、現場の説明を聞く前に結論を決めてしまうことです。
「人数が多い」
「もっと減らせるだろう」
と最初から決められてしまうと、現場としては、
「じゃあ、今までの経験は何だったんだろう」
と思ってしまいます。
現場には、実際に作業してきた人間だからこそ分かることがあります。
その経験を踏まえて出した判断には、それなりの理由があります。
だからこそ、
まず理由を聞いてほしい。
私はそう思います。
現場の事情を確認したうえで、
「それでも会社として2人で行ってほしい」
という判断をするのであれば、それは会社としての決定です。
少なくとも、理由を説明する機会があるだけで、現場側の受け止め方は変わります。
現場を無視すると、結局しわ寄せが来る
現場の意見を聞かずに上から仕事を決めると、最終的に負担するのは現場です。
人数を減らす。
作業時間を短くする。
予定を詰め込む。
そうやって上から決められたとしても、実際に作業するのは現場の人間です。
予定どおりに終わらなければ、残業する。
トラブルが起きれば対応する。
無理なスケジュールなら、現場が何とかする。
そうやって、最後にしわ寄せが来ることがあります。
現場としては、
「最初に相談してくれれば分かったのに」
と思ってしまいます。
以前にも、現場への相談なく仕事を引き受け、最後は現場に負担がかかった部長の話を書きました。
勝手に仕事を取ってくる部長|現場を無視する上司に振り回された話
上司と現場が対立したいわけではありません。
むしろ、現場としては仕事をスムーズに進めたいだけです。
だからこそ、仕事を決める段階で現場の意見を聞くことが大切だと思います。
管理職になって分かった「現場を見る難しさ」
私自身、管理職として部下を見る立場になって、以前とは少し考え方が変わりました。
自分が現場にいた頃は、
「現場のことを分かっていない人が口を出してくる」
と感じることもありました。
でも、自分が管理する側になると、会社全体の事情も考えなければなりません。
人件費。
納期。
予算。
人員配置。
現場だけを見て判断するわけにもいきません。
だからこそ、管理職になった今は、現場の意見を聞かずに判断することだけは避けたいと思っています。
もちろん、部下の言うことをすべて受け入れるわけではありません。
必要なら、
「この人数でやってほしい」
「この方法で進めてほしい」
と判断することもあります。
ただ、その前に、
「なぜそう考えているのか」
を聞くようにしています。
現場の人間には、自分には見えていない情報を持っているからです。
管理する側だからこそ、現場の声を聞くことが大切なのだと思います。
現場と上司は、どちらが正しいという話ではない
今回の出張人数の件についても、上司が完全に間違っているとは思っていません。
会社として経費を抑える必要があることは理解しています。
私の判断が絶対に正しいとも思っていません。
もしかすると、もう少し少ない人数でも仕事はできたかもしれません。
大切なのは、どちらが正しいかを最初から決めることではないと思います。
現場には現場の考えがある。
上司には上司の考えがある。
その両方を確認したうえで、会社として判断すればいい。
そう思っています。
問題なのは、片方の事情だけで判断してしまうことです。
現場の人間は、上司が考えていることをすべて理解できるわけではありません。
同じように、上司も現場で起きていることをすべて把握できるわけではありません。
だからこそ、お互いに話をする必要があるのだと思います。
まとめ|任せるなら信頼する。判断するなら現場を知る
今回の出張人数をめぐるやり取りで、改めて感じたことがあります。
それは、
「現場に口を出すな」ということではありません。
会社として必要な確認や判断は、当然必要です。
ただ、
「現場に口を出すなら、まず現場の事情を知ってほしい」
ということです。
作業内容を知らずに人数だけを見る。
現場の経験を聞かずに効率だけを考える。
そうなってしまうと、実際に仕事をする人間との間にズレが生まれます。
そして、そのズレが積み重なると、
「どうせ言っても聞いてもらえない」
という気持ちにつながってしまいます。
任せるなら、ある程度は任せる。
疑問があるなら、まず理由を聞く。
判断するなら、その仕事の実態を知る。
私は、それが現場と上司がうまく仕事をするために必要なことだと思っています。
管理職として部下に仕事を任せる場合も同じです。
仕事を任せることと、丸投げすることは違います。
私自身、部下に仕事を任せるときには、その違いを意識しています。
仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由
また、上司の言動に疑問を感じるのは、今回のようなケースだけではありません。
偉い人が来た途端に行動を変える上司を見て、現場の人間として感じたこともあります。
現場と上司は、どちらか一方だけが正しいわけではありません。
だからこそ、相手の立場を理解しながら、必要なことはきちんと伝える。
その積み重ねが、働きやすい職場につながっていくのではないでしょうか。
今回の出来事を通して、私自身も改めて「現場を見ること」の大切さを感じました。
