課長になって、部下に仕事を任せるようになった。
今では、ほとんどの仕事を部下に任せて、自分は最後に確認するくらいになっている。
でも、最初からそうだったわけではない。
むしろ課長になったばかりの頃は、部下に仕事を任せることが怖かった。
「もし失敗したら、自分が責任を取らないといけない」
もちろん、それもあった。
でも、自分が一番怖かったのは、
「もし失敗したら、自分はちゃんとリカバリーできるのか?」
ということだった。
課長になると、自分一人で仕事をしていた頃とは違う。
自分が直接作業するのではなく、部下に仕事を任せて、その結果に対して責任を持つ。
この感覚に慣れるまで、かなり時間がかかった。
仕事を任せるのが怖かった理由
仕事の中には、少しぐらい間違えても簡単にやり直せるものがある。
でも、すべての仕事がそうではない。
場合によっては、一度ミスすると後から修正するのが大変になる仕事もある。
だから部下に仕事を任せる時、
「本当に任せて大丈夫かな?」
「途中で問題が起きたらどうしよう?」
「もし失敗したら、リカバリーするのは大変だろうな……」
と考えてしまっていた。
頭では、
「部下に仕事を任せないといけない」
と分かっている。
でも、気持ちがついてこない。
任せた方がいいと思いながらも、気になって自分で確認してしまう。
そんな状態だった。
何時間おきに仕事を見に行っていた
当時の自分は、部下に仕事を任せると、何度も様子を見に行っていた。
「ちゃんと進んでいるかな」
「変なところで止まっていないかな」
「間違ったやり方をしていないかな」
そんなことが気になって仕方がなかった。
何時間おきかに様子を見に行く。
そして、
「そこ大丈夫?」
「進み具合どう?」
と確認する。
今思えば、かなり細かく見ていたと思う。
部下からすれば、
「また課長が見に来た」
と思っていたかもしれない。
でも、その頃の自分にとっては、それくらいしないと不安だった。
仕事を任せているというより、
任せた仕事をずっと監視しているような状態だった。
これでは、部下も自分で考えて仕事をするのが難しくなる。
今振り返ると、そこは自分自身も変わらないといけなかった部分だと思う。
ある部下を見て「任せても大丈夫かもしれない」と思った
そんな中で、自分の考え方が変わるきっかけになった部下がいた。
その部下は、仕事を進めるのが特別早いタイプではなかった。
むしろ、慎重に進めるタイプだった。
分からないことがあると、そのまま適当に進めるのではなく、自分から質問しに来る。
最初は、
「ちょっと進むのが遅いな」
と思うこともあった。
でも、ある時から見方が変わった。
「この子は、分からないことがあったらちゃんと聞きに来るな」
そう思ったからだ。
これは、仕事を任せる側からすると、かなり大きい。
全部を完璧にできる人じゃなくてもいい。
分からないことを勝手に判断して突っ走らない。
問題が起きた時に黙って抱え込まない。
必要な時には、ちゃんと相談してくれる。
それなら、
「この人なら、ある程度任せても大丈夫かもしれない」
と思えるようになった。
実際、waka-log.comでも「質問できる部下は成長する?」という記事を書いている。
質問すること自体が悪いのではなく、分からないことを確認して、次に自分でできるようになることが大切だと、課長になって感じるようになった。
質問できる部下は成長する?|課長になって分かった「伸びる部下」の特徴
「任せる」と「放っておく」は違う
部下に仕事を任せるようになって、分かったことがある。
それは、
仕事を任せることと、放っておくことは違う
ということだ。
最初から、
「じゃあ、よろしく」
と全部丸投げする必要はない。
むしろ、最初はある程度見ておいた方がいい。
分からないところがあれば質問してもらう。
必要ならこちらから確認する。
途中で問題が起きそうなら、早めに声をかける。
そして、部下が一人で進められるようになってきたら、少しずつ自分が見る時間を減らしていく。
自分の場合は、そうやって徐々に任せられるようになった。
最初から「信じて全部任せる」のではなく、
「確認する量を少しずつ減らしていく」
という感覚の方が、自分には合っていた。
任せるのが怖いなら、最初から全部任せなくていい
今思えば、当時の自分は、
「任せるか、任せないか」
を極端に考えすぎていた。
でも、実際にはその間がある。
例えば、
「ここまでは任せる」
「ここまで進んだら一度報告して」
というやり方でもいい。
最初は細かく確認する。
問題がなければ、次は確認する間隔を少し空ける。
それでも大丈夫なら、さらに任せる範囲を広げる。
そうやって、
部下が成長するのと一緒に、自分も少しずつ手を離していく。
これなら、任せる側の不安もかなり減る。
この考え方は、以前書いた「部下を育てるとは?」という記事ともつながっている。
仕事を教えるだけではなく、できるようになった部分から少しずつ任せる。
それを繰り返すことで、部下が自分で判断できるようになっていった。
部下を育てるとは?仕事を教えるだけでは成長しないと課長になって気づいたこと
今では、ほとんど任せている
今では、その部下にはほとんどの仕事を任せている。
自分がやるのは、最後の確認くらいだ。
以前のように、何時間おきに様子を見に行くこともなくなった。
「大丈夫かな」とずっと心配することも少なくなった。
もちろん、任せた以上、最終的な責任は自分にもある。
でも、
「何かあったら相談に来てくれる」
という安心感があるだけで、任せる側の気持ちはかなり違う。
そして、これは部下にとっても良かったと思う。
ずっと課長に確認されながら仕事をするより、自分で考えて進める方が経験になる。
任されることで、
「自分でやってみよう」
という気持ちも出てくる。
結果的に、部下自身の成長にもつながっていった。
部下に任せられると、課長自身の仕事も変わる
部下に仕事を任せられるようになって、一番変わったのは自分の時間だった。
単純に、自分が抱える仕事が減った。
でも、それだけではない。
部下に任せられるようになったことで、課長として別の仕事に時間を使えるようになった。
例えば、他部署からクレームや問題が出てきた時。
以前なら、自分の仕事に追われながら対応しなければならなかった。
でも、部下がある程度の仕事を任せられる状態になってくると、自分は別の問題に時間を使える。
部下の仕事をずっと見ているのではなく、
- 部署全体の問題を考える
- 他部署との調整をする
- 部下の育成を考える
- トラブルが起きた時に対応する
- 今後の仕事の進め方を考える
そういった、課長だからこそやるべき仕事に時間を使えるようになる。
ここは、実際に部下へ仕事を任せてみて初めて分かったことだった。
実際に「仕事を抱え込まず、部下に任せること」については、こちらの記事でも詳しく書いている。
仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由
最初から完璧な部下なんていない
課長になったばかりの頃は、
「仕事ができる人じゃないと任せられない」
と思っていた。
でも、今は少し考え方が違う。
もちろん、仕事ができることは大切だ。
でも、それだけではないと思っている。
分からないことを聞けること。
問題があった時に報告できること。
自分で考えながら仕事を進められること。
こういう部分も、仕事を任せる上ではすごく大事だ。
最初から完璧に仕事ができる人なんて、なかなかいない。
だからこそ、
「今どこまで任せられるのか」
を見ることが大切なんだと思う。
できることが増えれば、任せる範囲も増やせばいい。
まだ難しい部分があるなら、そこだけ課長がフォローすればいい。
全部を任せる必要はない。
部下を育てることは、自分の仕事を減らすことでもある
課長になったばかりの頃は、部下に仕事を任せることが怖かった。
失敗したらどうしよう。
リカバリーできなかったらどうしよう。
そう考えて、細かく確認していた。
でも、部下が成長して、自分で考えて、分からないところは質問してくれるようになる。
そこまで来ると、少しずつ手を離せるようになる。
そして分かったのは、
部下を育てることは、自分の仕事を減らすことでもある
ということだった。
もちろん、「楽をするために部下へ仕事を押し付ける」という意味ではない。
部下ができる仕事を増やすことで、課長は課長にしかできない仕事に集中できるようになる。
これが、本当の意味で仕事を任せるということなのかもしれない。
任せるのが怖い課長へ
もし今、
「部下に仕事を任せるのが怖い」
「任せたら失敗しそうで、結局自分でやってしまう」
と思っている課長がいるなら、いきなり全部任せなくてもいいと思う。
最初は細かく見てもいい。
小さな仕事から任せてもいい。
「ここまでやったら一度報告して」
と区切ってもいい。
そして、
「この人なら、何かあった時にちゃんと相談してくれる」
と思えるようになったら、少しずつ手を離していけばいい。
自分もそうだった。
最初から部下を完全に信じられたわけではない。
仕事を任せて、確認して、また任せて。
それを繰り返しているうちに、少しずつ任せられるようになった。
今では、以前あれだけ怖かった仕事を、ほとんど部下に任せられるようになった。
部下を信じて任せることは、部下の成長だけではなく、自分自身が課長として成長することにもつながる。
「任せるのが怖い」と感じているなら、それは責任感があるからこそかもしれない。
だからこそ、いきなり手を離すのではなく、少しずつでいい。
任せる範囲を少し広げる。
それだけでも、課長としての仕事の仕方は少しずつ変わっていくと思う。
まとめ
部下に仕事を任せるのが怖かった自分も、最初から任せられたわけではない。
何度も確認して、失敗を心配して、細かく見ていた。
でも、
- 分からないことを質問できる
- 問題があれば報告できる
- 自分で考えて仕事を進められる
そんな部下の姿を見て、少しずつ任せられるようになった。
そして今では、部下に任せることで、自分自身も課長として本来やるべき仕事に時間を使えるようになった。
仕事を任せることは、部下を信じることでもあり、自分が課長として一歩成長することでもある。
いきなり全部任せなくていい。
まずは一つ。
そこから少しずつ、任せられる仕事を増やしていけばいいと思う。
