「部下のために確認しただけなのに、会社への不満だと思われた」
管理職をしていると、そんな経験をすることがあります。
私自身、課長として部下の手当について会社に確認しただけなのに、社長や上層部から「会社に対して不満があるのではないか」と受け取られたことがあります。
私は単純に、
「この手当はどういう扱いになっているんだろう?」
と確認したかっただけでした。
しかし、管理職という立場になると、部下のために動いたことが、そのまま自分の意見として受け取られてしまうことがあります。
今回は、私が実際に経験した「部下と会社の間で板挟みになった出来事」について書いていきます。
部下の出張について会社から言われたこと
あるとき、会社から出張について、
「早出はさせるな」
「残業もさせるな」
という話がありました。
会社としては、当然ながら人件費を抑えたいという考えがあります。
できるだけ通常勤務の時間内で仕事を終わらせたい。
それ自体は理解できます。
私も管理職なので、会社の考え方を無視しているわけではありません。
ただ、現場には現場の事情があります。
出張先まで移動する時間。
現地での作業時間。
帰ってきてからの通常業務。
こういったことをすべて考えると、単純に「早出するな」「残業するな」と言うだけでは、仕事が回らないこともあります。
課長という立場になると、こうした会社側と現場側の両方の事情を考えなければいけません。
部下の手当について確認しただけだった
そんな中で、私は部下の手当について会社に確認しました。
「この場合、手当はどういう扱いになりますか?」
という、ただの確認です。
私は、
「部下の手当を増やしてほしい」
と要求したわけではありません。
「会社のルールを変えてほしい」
と言ったわけでもありません。
単純に、部下から聞かれたことについて、自分でも正確に確認しておきたかっただけです。
管理職として部下から質問された以上、曖昧なまま答えるわけにはいきません。
だから会社に確認しました。
ところが、後になって思わぬ形で話が伝わっていました。
「会社に不満がある」と受け取られてしまった
どうやら私が部下の手当について確認したことが、
「会社に対して不満を持っている」
というような形で受け取られていたようです。
正直、
「なんでそうなるん?」
と思いました。
私はただ確認しただけです。
部下から聞かれたから確認した。
それだけでした。
でも、管理職という立場になると、自分の発言が単純な「質問」として受け取られないことがあります。
特に社長や上層部からすると、
「課長が手当について言ってきた」
という事実だけで、
「会社の待遇に不満があるのでは?」
と考えられてしまうこともあるのだと思います。
管理職は部下と会社の間に立つ
ここが管理職の難しいところです。
部下から相談されたら、無視するわけにはいきません。
「この手当ってどうなってるんですか?」
「この場合は残業になるんですか?」
「出張した場合はどういう扱いですか?」
こうした質問を受けることがあります。
課長としては、部下にきちんと説明する必要があります。
だから会社に確認する。
でも、確認したら今度は、
「会社に不満があるのか?」
と思われる。
まさに板挟みです。
課長になってから毎日しんどい人へ|実際になってわかった管理職の現実
この記事でも書いていますが、課長になると上司からは数字や会社の方針を求められ、部下からは不満や相談を受ける立場になります。Waka Base
その両方を受け止めるのが課長の仕事でもあります。
上から言われたことを、そのまま現場に伝えるだけでは回らない
会社から、
「早出するな」
「残業するな」
と言われたとしても、それをそのまま部下に伝えるだけでは現場は回りません。
なぜなら、現場には現場の事情があるからです。
仕事量はどうなのか。
人員は足りているのか。
納期は間に合うのか。
出張先までの移動時間はどうするのか。
そういったことを考えたうえで、現実的な方法を考える必要があります。
上からの指示を現場に伝えるだけなら、管理職でなくてもできます。
課長の役割は、会社の考え方を理解しながら、現場で実際に仕事が回る方法を考えることだと思っています。
勝手に仕事を取ってくる部長|現場を無視する上司に振り回された話
以前書いた「勝手に仕事を取ってくる部長」の記事でも、上の判断によって現場が振り回される経験について書いています。
今回の話とも共通する部分があります。
「確認しただけ」と「要求する」は違う
今回のことで、私は改めて感じました。
確認することと、要求することは違います。
「この手当はどうなっていますか?」
と聞くことと、
「この手当を増やしてください」
と言うことは全く違います。
でも、管理職になると、この違いが伝わりにくいことがあります。
特に上層部との距離が近い会社では、
「課長がこんなことを言っていた」
という話だけが一人歩きしてしまうこともあります。
だからこそ、管理職は自分の意図をできるだけ分かりやすく伝える必要があります。
管理職は「自分の意見」と「部下の質問」を分けて伝える
今回の経験から、私は意識して、
「これは私自身の意見なのか」
「部下から質問された内容なのか」
を分けて話すようになりました。
例えば、
「私としては手当を増やしてほしいと思っています」
と言うのと、
「部下からこういう質問があったので、確認させてください」
では、意味が全く違います。
もちろん、管理職として会社に意見を言うことも必要です。
ただ、その場合でも、
「これは自分の意見です」
と明確にしたほうが、誤解は少なくなります。
管理職になって「伝えること」の難しさを知った
課長になる前は、
「仕事ができれば管理職もできる」
くらいに考えていたところがあります。
でも実際には違いました。
管理職になると、自分一人で仕事をするわけではありません。
部下がいます。
上司がいます。
会社の方針があります。
そして、その間を調整する必要があります。
だから、仕事そのものよりも、人との間に立つことのほうが疲れる場面もあります。
課長になってから毎日しんどい人へ|実際になってわかった管理職の現実
「課長になってから毎日しんどい」と感じる理由の一つは、まさにこうした板挟みだと思います。実際、既存記事でも「上司と部下に挟まれること」を課長の大きな負担として取り上げています。Waka Base
管理職だからこそ、一人で抱え込まない
今回のような出来事があると、
「もう部下のことについて会社に確認するのはやめよう」
と思ってしまうかもしれません。
でも、それでは部下も困ります。
管理職には、部下から相談されたことを確認する役割もあります。
ただし、何でも自分一人で抱える必要はありません。
必要なことは確認する。
会社に伝えるべきことは伝える。
そして、自分の意見と部下からの相談を分けて説明する。
そうすることで、少しずつ誤解を減らせるのではないかと思います。
仕事ができる人ほど仕事を抱え込まない|現役課長が部下に仕事を任せる理由
管理職が全部を自分で抱えるのではなく、部下に仕事を任せながらチーム全体で仕事を回すことも大切です。
管理職は「部下の味方」でも「会社の敵」でもない
今回の経験で、一番感じたのはこれです。
管理職は、
「部下の味方なのか?」
「会社側なのか?」
と考えてしまうことがあります。
でも、本来はどちらか一方になる必要はありません。
会社のルールを守りながら、部下が働きやすい環境を作る。
会社の利益を考えながら、現場の無理にも目を向ける。
その両方を考えるのが管理職だと思っています。
だから、部下のために確認すること自体は悪いことではありません。
ただし、その意図が誤解されないように伝えることも、管理職として必要な仕事なのだと今回改めて感じました。
まとめ|管理職は部下と会社の間で板挟みになる
部下の手当について確認しただけなのに、会社への不満だと受け取られた今回の出来事。
最初は、
「なんでそんなふうに受け取られるんやろ」
と思いました。
でも、今振り返ると、管理職という立場だからこそ起きたことだったのかもしれません。
管理職になると、
- 部下から相談される
- 会社に確認する
- 上司から判断を求められる
- その間を調整する
という仕事が増えます。
そして、そのすべてを完璧にこなすのは簡単ではありません。
だからこそ、
部下の相談なのか、自分自身の意見なのかを分けて伝える。
会社の方針と現場の事情を両方理解する。
この2つは、管理職としてかなり大切だと思います。
管理職は、部下の味方でありながら会社の一員でもあります。
その間で板挟みになるからこそ、しんどい。
でも、その間に立って調整することも、課長という仕事の一つなのだと思います。
